EUとシンガポール、デジタルパートナーシップに実質合意

(シンガポール、EU)

シンガポール発

2022年12月20日

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長とシンガポールのリー・シェンロン首相は12月14日、EUシンガポール・デジタルパートナーシップに関する共同声明(欧州委員会ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますシンガポール首相府ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照)を出し、同パートナーシップの実質合意を発表した。

デジタルパートナーシップは、貿易円滑化、信頼性のあるデータ流通とデータ革新(innovation)、デジタルトラスト、標準(standards)、労働者のデジタル技能、企業・公共サービスのデジタルトランスフォーメーション(DX)といったデジタル関連事項の全範囲の協力を進展させる。また、サプライチェーンをより強靭(きょうじん)にするとともに、5G/6G(第5/第6世代移動通信システム)、人工知能(AI)、デジタルアイデンティティーなど新興分野の進展に向けた共同の取り組みを促進する。

また、デジタルパートナーシップの最初の成果として、デジタル貿易に係る一連の原則について合意したことが明らかにされた。同原則について、「両者間や全世界的なデジタル貿易を促進する共通の枠組みを提供するもの」と説明。「同原則に基づいて(EUとシンガポール)相互のデジタル貿易ルールを制定することを目指す」としたうえで、EUとシンガポールのデジタル貿易への前向きな取り組みが「電子商取引に関する全世界的なルールを導入するために進行しているWTO交渉を補完し、支援するものと確信している」とした。

EUとシンガポールは2021年12月、EUシンガポール自由貿易協定(FTA)に基づく貿易委員会(trade committee)会議において、デジタルパートナーシップに向けた進展を目的として、両者間のデジタル貿易の強化に合意していた(欧州委員会ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますシンガポール貿易産業省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照)。今回の実質合意を受けて、2023年早々に正式な署名・立ち上げの期待が示された。

(朝倉啓介)

(シンガポール、EU)

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