香港、10月の小売売上高は3.9%増、耐久消費財の2桁増が寄与
(香港)
香港発
2022年12月07日
香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は12月1日、10月の小売売上高(速報値)を前年同月比3.9%増の319億4,300万香港ドル(約5,430億円、1香港ドル=約17円)と発表した(添付資料図参照)。2カ月連続で前年同月比プラスの伸びとなった。
同月の小売売上高のうち、オンライン販売額は前年同月比で34.7%増の34億1,900万香港ドルで、全体の10.7%を占めた。
業態および品目別にみると、増加幅が最大となったのは「耐久消費財」(前年同月比17.2%増の74億5,200万香港ドル)だった。一方で、「百貨店」は2022年5月以降6カ月連続で前年同月割れが続いており、10月は17.1%減の28億1,000万香港ドルとなった(添付資料表参照)。
香港政府報道官は「(10月1日から開始した)電子消費券の配布が10月の小売売上高を勢いづけた」と指摘。今後の見通しについて、同報道官は「労働市場の改善と電子消費券の配布が引き続き消費を下支えする一方で、金融引き締めがプラスの効果を部分的に相殺する可能性がある。域内の新型コロナウイルスの感染状況が制御下にあるため、制限措置が徐々緩和されれば、消費行動は次第に勢いを取り戻すだろう」とコメントしている。
DBS銀行(香港)経済研究部の謝家曦エコノミストは「香港政府による旅行制限の緩和で、海外への旅行者数が増加し、域内消費が失われる可能性がある」と指摘しつつも、「域内小売売上高という観点からいうと、域外からの観光客による消費こそが域内小売売上高の大幅改善につながる。そのためにも、入境手続きが重要な鍵となるだろう」と述べた(「香港経済日報」12月2日)。
(松浦広子)
(香港)
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