米国とカナダのクリスマス休暇前からの寒波、死者を伴う被害に

(米国、カナダ)

米州課

2022年12月27日

クリスマス休暇を前に米国とカナダを襲った強い寒波と豪雪の影響で、米国では東部から中部、南部の各地で、カナダではオンタリオ州東部、ケベック州西部を中心に、死者を伴う被害が出ている。12月26日時点で米国では50人を超える死者が確認されている。

米国では、ニューヨーク州のエリー郡、特にバッファロー市とジェネシー郡での被害が大きく、同州のキャシー・ホークル知事は25日、連邦政府に緊急事態の認定を要請した。ジョー・バイデン大統領は翌26日、ニューヨーク州に緊急事態を宣言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、両郡での救助や住居や交通の復旧などに向けた連邦の支援の意向を明らかにした。

ホークル知事はニューヨーク州民に不要不急の移動を控えるよう呼び掛けており、知事室発表によると、26日午後の時点で州西部の州道は全て通行止めとなっているほか、ニューヨーク州高速道路(I-90)は、ロチェスターの46番出口からペンシルバニアラインまでの全ての交通に対して引き続き閉鎖されている。26日からの週は、オンタリオ湖とエリー湖の沖合で大雪が続く見通しで、オンタリオ湖東部では、27日にかけてさらに約1~2フィート(約30~60センチ)の積雪が予想されている。バッファロー地域では、週後半から週末にかけて気温が上昇する前の今後数日間で最大1フィートの雪が積もる見込みだ。

南部のテキサス州にも寒波が及び、州全体が21日から強風と零下の低気温に見舞われ、23日夜にかけて6万3,000世帯が停電した(23日付現地紙)。

また、1万6,000便以上のフライトが木曜日から月曜日の朝にかけてキャンセルされ、複数の空港が一時閉鎖された(「ワシントン・ポスト」紙12月27日)。

カナダでも、道路での車の立ち往生や事故が多発し、24日時点で、オンタリオ州で500件以上の衝突事故が報告された。23日夜から翌24日にかけて、オンタリオ州ウィンザーとケベックシティの間の列車が停止し、数百人の乗客が車内に一時閉じ込められるなど、鉄道の運行停止や列車の立ち往生も相次いだほか、空のダイヤも大幅に乱れた(CBCニュース12月24日)。

(高山さわ)

(米国、カナダ)

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