中銀が5会合連続で利上げ

(インド)

ムンバイ発

2022年12月22日

インド準備銀行(RBI、中央銀行)は12月7日、金融政策決定会合(MPC)を開催し、政策金利(レポレート)を0.35ポイント引き上げ、6.25%に利上げすることを委員6人中5人の賛成多数で決定した。今回の措置で5会合連続での利上げとなった(添付資料図参照)。

RBIのプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、世界経済は前回10月会合時以降、各国の金融引き締め政策によって物価が上昇し、成長が下振れ傾向にある。その一方、国内経済は世界的なインフレ傾向の中、都市部の需要は引き続き好調で、農村部でも回復基調にあり、内需が底堅いと評価している。

消費者物価指数(CPI)インフレ率は、8月に7.0%、9月に7.4%に上昇したが、10月は6.8%と減速。食料インフレが軟化し、燃料インフレもやや緩和したが、食料と燃料を除くコアCPIは6.0%と依然としてインフレ圧力がかかっているとして、2022年度(2022年4月~2023年3月)の第3四半期(10~12月)のCPI上昇率は6.6%(前回会合比+0.1%)、第4四半期(2023年1~3月)は5.9%(同+0.1%)、2022年度は6.7%(同±0%)と、許容範囲の上限6%を超えると予測している。

実質GDP成長率は、ラビ期(乾季の作付け・収穫期)の農業見通しは明るく、ヒンドゥー正月シーズンの都市部の消費など堅調で広範な成長、政府のインフラ投資の強化などで消費者の信頼感は改善している一方、長引く地政学的緊張や、世界各国の金融引き締め政策、外需の減速といった逆風に直面し続けていることを考慮し、第3四半期は4.4%(前回会合比マイナス0.2ポイント)、第4四半期は4.2%(同マイナス0.4ポイント)、2022年度成長率は6.8%(同マイナス0.2ポイント)と下方修正している。

(松永宗徳)

(インド)

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