韓国政府、米財務省にインフレ削減法に関する2次意見書を提出

(韓国、米国)

ソウル発

2022年12月09日

韓国企画財政部は12月2日、米国のインフレ削減法(IRA)に基づく「クリーンエネルギー関連の税額控除」にかかる2次政府意見書を提出したと発表した(2022年11月8日記事参照)。

2次政府意見書は前回(1次意見)に議論されていなかった3分野〔1.商業用エコカーおよびクリーン燃料の充填(じゅうてん)施設、2.二酸化炭素(CO2)の回収、3.クリーン水素・クリーン燃料の生産)について、自動車、充填所、水素、バイオ燃料、CO2回収などの関連業界の意見を集約したもの。

意見書の概要は次のとおり。

1.商業用エコカーおよびクリーン燃料の充填設備への税額控除(Notice 2022-56外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(1)「商業用エコカー」の定義について、レンタルやリース車両もその期間にかかわらず商業用に分類し、ウーバーやリフトなど、ライドシェア用の車両も商業用の範囲に含むよう提案。

(2)商業用エコカーを迅速に普及させるため、2023年から3年間、商業用エコカーへの税額控除(最大7,500ドル)の上限を撤廃するよう要請。

(3)クリーン燃料の充填施設の設置・移動の際の税額控除が適用される地域の範囲(eligible census tract)を拡大して解釈するよう提案。

2.CO2回収への税額控除(Notice 2022-57外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

CO2が再放出される可能性のある「回収後の利用(CCU)」よりは削減効果が大きい「回収後の貯留(CCS)」などの「実質的なCO2削減効果」を税制控除の基準として活用するよう提案。

3.クリーン水素・クリーン燃料生産への税額控除(Notice 2022-58外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(1)輸出用として米国で生産するクリーン水素に対しても税額控除が適用されるよう提案。

(2)クリーン水素の生産過程で発生するCO2排出量の測定方法を明確化し、税額控除を受けるために企業が提出しなければならない資料を最小化するよう提案。

(3)持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel:SAF)については、他国で生産された当該燃料に対しても税額控除が適用されるよう提案。

(当間正明)

(韓国、米国)

ビジネス短信 c82261ff1117043a