コートジボワール、EV導入に向けて環境整備

(コートジボワール、西アフリカ)

アビジャン発

2022年12月27日

コートジボワールで中古車の販売・買い取り事業のオンラインストアを展開するスタートアップのオート24は12月、現地企業EV.Techと共同で、国内初の公共の電気自動車(EV)充電スタンドを最大都市アビジャンに設置した。

オート24は、アフリカーグループ(Africar Group)の子会社で、2023年1月から国内で韓国自動車メーカーの中古EVの販売を開始する予定。中古EV販売はコートジボワール国内で初となる。今後、全国に5,000カ所以上の充電スポットの設置を支援し、EVの購入と利用をより身近にする計画だ。なお、同社には、「AutoFast by CFAO」がメンテナンスサービスを提供している。

政府は2022年2月、温室効果ガス排出量を削減するという国の目標に合わせて、環境・持続可能開発省の主導で、持続可能な低排出ガス交通、eモビリティープロジェクトを立ち上げた。同プロジェクトは、環境の持続可能性の確保に向けて、eモビリティーの電源として再生可能エネルギー開発を促進する。さらに、政策・制度的枠組みの見直しや、トレーニング・能力開発、EVのデモンストレーション、資金調達スキームとビジネスプランの構築、民間部門の参加などを通じて、EV導入の加速を目指す。同プロジェクトは、地球環境ファシリティー(Global Environment Facility:GEF、注)の第7次増資(GEF 7)による資金を活用して実施されている。

政府はこれと並行して、EVに対する付加価値税の2年間引き下げや、電気料金への反映など、税制面での検討も行っていく。また、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)と緊密に連携し、使用済みEVバッテリーの回収や再利用、リサイクル、安全な廃棄を行うための地域の基準策定を目指す。同様なプロジェクトは現在、ECOWAS加盟国のシエラレオネとトーゴでも実施されている。

(注)GEFは、5つの環境関連条約の資金メカニズムとして世界銀行に設置されている信託基金。現在184カ国が加盟。開発途上国と市場経済移行国が地球規模の環境問題に対応したかたちでプロジェクトを実施する際に追加的に負担する費用について、原則として無償資金を提供する。

(野澤俊明、渡辺久美子)

(コートジボワール、西アフリカ)

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