2023年予算編成、2年連続の黒字予算に

(サウジアラビア)

リヤド発

2022年12月15日

サウジアラビア政府は12月7日、総額1兆1,140億リヤルの歳出規模(約40兆1,040億円、1リヤル=約36円)の2023年国家予算を発表した。

2023年の歳入は、2022年予算編成時比8.1%増、2022年歳入実績見込みの8.4%減の1兆1,300億リヤルとなった。2023年の歳出は、2022年予算編成時比16.6%増、2022年歳出実績見込み1.6%減の1兆1,140億リヤルとなった。2023年予算は、GDP全体の約0.4%を占める160億リヤル程度の黒字が達成できると試算し、2年連続の黒字予算となった(添付資料表1参照)。

2022年予算について、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は「景気回復、金融規制に関する取り組みや政策、財政管理の発展と効率化が、ビジョンの主要目標の達成を維持しつつ、2022年にGDPの約2.6%の黒字を達成することに貢献した」と述べた。

予算の黒字は、政府準備金の増強のほか、国家資金の支援、サウジアラビアの財務状況の強化に活用するとしている。

2023年の歳出を支出項目別にみると、最大の歳出項目は「軍事」の2,590億リヤル(2022年歳出実績見込み比5.7%増)だった。これに、「教育」の1,890億リヤル(3.1%減)、「医療・社会開発」の1,890億リヤル(4.5%減)、国際機関への拠出などが含まれる「一般項目」の1,650億リヤル(0.6%減)が続く(添付資料表2参照)。

ムハンマド皇太子は、2022年のGDP成長率は8.5%に達する見込みで、この経済成長により多くの雇用機会が創出されたとした。2022年第2四半期の失業率は9.7%まで低下し、過去20年間で最も低い数値となった。また、220万人以上のサウジアラビア国民が民間部門に雇用されており、女性の社会進出率も17.7%から35.6%に増加したと述べている。

(林憲忠)

(サウジアラビア)

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