新型コロナ感染の第5波宣言、マスク着用義務化とワクチン接種回数による行動規制の可能性も示唆

(ペルー)

リマ発

2022年12月02日

ペルー保健省(MINSA)は12月1日、ケリー・ポルタラティーノ保健相の記者会見で、新型コロナウイルス感染の第5波が始まったことを宣言した。国立疫病対策センター(CDC-Perú)のセサル・ブラディミール・ムナイコ・センター長は、全国24州の持続的な感染者数と入院患者数の増加に加え、死者数の緩やかな増加も見受けられるとして、CDC-Perúの基準に基づいて第5波の宣言を決めたと述べた。ポルタラティーノ保健相も、感染した場合の重篤化を防ぐためにも、現在73%の接種率にとどまっている3回目ワクチンの未接種者に対して早急な接種を促していることを明らかにした。

感染増加への対応について、国立保健研究所(INS)のビクトル・スアレス・モレーノ所長は、全土に現在129の検査研究所があり、うち約半数が無料で検査が可能な公立施設としている。モレーノ所長によると、第5波の主流ウイルスについては、第4波の主流だったオミクロン株のBA.5からの派生型で、通称グリフォンと呼ばれる「XBB型」に加えて、通称ケルベロスの「BQ1.1型」と「BQ.1型」の3種が全体の約65%を占めているという。

ポルタラティーノ保健相は国民に対して、「屋内でのマスク着用」「高齢者や持病患者のマスク着用」「4回目のワクチン接種」「症状が出た場合の早期通院」を推奨した上で、2週間にわたり経過を観察、検証するとしている。その上で感染者数の減少が見られない場合は「マスク着用の再義務化」や「ワクチン接種回数による行動制限」の再開の可能性もあるとの考えを示した。接種率が現在23.4%と停滞している4回目のワクチン接種の義務化については言及を避けた。

ペルー社会保険庁(ESSALUD)情報データ分析チーム(UIAD)による統計によると、新規感染者数は2022年第45週(11月第2週)以降、増加を記録しており、第46週には前週比2.7倍の1万9,168人、第47週も同2.0倍の3万8,329人に増加している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

ビジネス短信 af9e3b555bc014d5