ナイジェリア中銀、新紙幣発行に伴う現金引き出し制限を発表

(ナイジェリア、アフリカ)

ラゴス発

2022年12月08日

ナイジェリア中央銀行(CBN)のゴッドウィン・エメフィエレ総裁は12月6日、自国通貨ナイラの新紙幣発行(2022年10月31日記事参照)に伴うキャッシュレス政策の一環として、現金の引き出しを制限する通達を発表した。それによると、2023年1月9日から以下の規制が敷かれる見込み。

  • 1週間当たりの現金引き出しは、個人は10万ナイラ(約3万円、1ナイラ=約0.3円)、法人は50万ナイラに制限し、個人は5%、法人は10%の引き出し手数料を徴収する。
  • 第三者発行の小切手による現金引き出しは上限5万ナイラとする。
  • 現金自動預け払い機(ATM)からの引き出しは、1日当たり2万ナイラ、1週間当たり10万ナイラを上限とする。
  • ATMには200ナイラ以下の紙幣のみを投入する(500ナイラ札、1,000ナイラ札はATMでは引き出し不可)。
  • ポイント・オブ・セールス(PoS)システムで引き出せる現金は1日当たり2万ナイラを上限とする。
  • やむを得ない状況下、かつ正当な目的の範囲内で、月に1回以内、個人は500万ナイラ、法人は1,000万ナイラを超えない額の現金引き出しが可能。その際も上記の引き出し手数料を徴収する。

なお、12月7日の実勢レート(注)として機能する公認両替商(BDC)レートは1ドル=750ナイラとなった。ナイジェリアの為替レートは2022年初めの1ドル=565ナイラに比べて、通貨安となっている。

(注)公定レートのNAFEXレート(投資家と輸入業者のためのレート)は12月6日現在、1ドル=約445ナイラ(中央値)。

(谷波拓真)

(ナイジェリア、アフリカ)

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