マルコス大統領、EUによるGSPプラスの継続適用に向けて協議を表明

(フィリピン)

マニラ発

2022年12月20日

フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領は12月12日、同国に対する、EUによる一般特恵関税(GSP)の優遇制度(GSPプラス)の継続的な適用につき、EUと協議していく姿勢を示した。

GSPプラスとは、EUが開発途上国に提供している特恵関税制度の1つで、途上国の中でも持続可能な開発や人権保障などに関連する一連の国際条約を批准・準拠している国に対して付与される。フィリピンは受益国となっており、他の受益国と同様、現行のGSPプラスの枠組みでは2023年末までが適用期間となっている。今回、マルコス大統領は同措置の2024年以降の適用継続を要望している。GSPプラスでは、一般特恵関税制度より幅広い品目が免除対象となり、フィリピンの場合は6,274品目が免税対象となっている。

なお、フィリピンは2022年2月、EU議会において人権侵害や報道の自由の欠如についての申し立てがあり、GSPプラスでの恩典措置適用が一時的に危ぶまれる事態にあった(政府通信社2022年12月12日付)。

マルコス大統領は12月14日、ベルギー・ブリュッセルで開催された「フィリピン・EUビジネス・ラウンドテーブル」の中で、フィリピンがGSPプラス適用条件である、人権や労働基本権に関連する27の国際条約を順守していくことを表明した(政府通信社2022年12月15日付)。加えて、GSPプラスをフィリピンとEUとの間での自由貿易協定(FTA)締結の布石としていくことを明言した。

(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)

(フィリピン)

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