11月の経済指標、外需縮小や感染拡大で投資・消費・生産のいずれも減速

(中国)

北京発

2022年12月20日

中国・国家統計局は12月15日、2022年1~11月および11月の主要経済指標を発表した(添付資料表参照)。通常行われる記者会見は開催されず、国家統計局のウェブサイト上での公表のみとなった。国家統計局の付凌暉報道官は、11月は国際環境がより複雑で深刻になり、外需の縮小がより顕著になったほか、国内において新型コロナウイルス感染再拡大が広範囲にわたって起こり、三重の圧力(注)が高まったことにより、経済運営が顕著な制約を受けたと指摘した。

1~11月の投資(固定資産投資)は前年同期比5.3%増(1~10月:5.8%増)と、前月から0.5ポイント減速した。インフラ投資は8.9%増(8.7%増)と伸びが7カ月連続で加速した一方、製造業投資は9.3%増と前月から0.4ポイント減速し、民間投資も1.1%増(1.6%増)と減速傾向が続いた。

1~11月の不動産開発投資は前年同期比9.8%減(8.8%減)と、10月から減少幅がさらに拡大した。中国当局は9月末に住宅販売の回復を図る政策を相次いで打ち出したが、1~11月の住宅販売額は28.4%減と1~10月(28.2%減)から減少幅が拡大し、依然として前年同期比で大幅なマイナスが続いている。

1~11月の消費(社会消費品小売総額)は前年同期比0.1%減となり、1~10月から0.7ポイント低下した。11月の消費は前年同月比5.9%減で、10月(0.5%減)から減少幅が5ポイント超拡大した。11月の飲食消費も8.4%減と減少幅が拡大した。商品別では、自動車の消費が大幅に減少し、4.2%減となった(10月は3.9%増)。

1~11月の工業生産増加額(付加価値ベース)は前年同期比3.8%増と、1~10月(4.0%増)から0.2ポイント減速した。11月単月では前年同月比2.2%増と、10月から2.8ポイント減速した。

1~11月の消費者物価上昇率は2.0%だった。11月単月では1.6%となり、10月から0.5ポイント低下した。11月の都市部調査失業率は5.7%で前月比0.2ポイント上昇した。16~24歳の調査失業率は17.1%で前月比0.8ポイント低下した。11月の都市部での新型コロナ感染拡大の影響で、31大都市の都市部調査失業率は前月比0.7ポイント上昇し6.7%となったほか、外来農業戸籍労働力の調査失業率も0.5ポイント上昇して6.0%となっている。

(注)需要の収縮、供給のショック、期待の低下を指す。

(小宮昇平)

(中国)

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