ロッテルダム港、欧州の水素ハブに向け大型電解装置建設へ

(オランダ)

アムステルダム発

2022年12月16日

オランダのロッテルダム港湾局は1128日、ロッテルダム中心部にある工業地域のM4Hエリアでの大型電解装置の建設計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。オランダ初の産業用グリーン水素製造装置の生産工場になる。

バッテリーと電解装置を一体化させたシステム「バトライザー((Battolyser)」を開発した、バトライザーシステムズのオフィスと研究所を備えた14,000平方メートルの敷地内に、同社の年間1ギガワット(GW)規模の電解装置が建設される予定。費用は1億ユーロと見積もられており、2024年下半期に完工の予定。新たに約700人の直接雇用が見込まれている。最終的な投資決定は2023年後半に予定されており、官民双方を含む投資を募る。

ロッテルダム港は、欧州の水素ハブとしての地位確立を目指しており、欧州最大の水素需要が見込まれるドイツとオランダでのグリーン水素戦略の一環となる。ロッテルダム港湾局のアラード・カステライン最高経営責任者(CEO)は、同社の工場について「ロッテルダム港の将来の脱炭素化と持続可能な産業の促進への取り組みにとって非常に価値がある」と述べた。

バトライザーはバッテリー統合型電解槽システムで、電力価格が低い時間帯に太陽光と風力により得られた再生可能エネルギーを利用したグリーン水素を製造する一方、電力価格が高い時間帯にはグリッド内へ電力を供給することでグリーン水素の製造コストを下げることができる。

(望月竜之介)

(オランダ)

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