スタートアップの国内雇用者数は前年比7.6%増

(オランダ)

アムステルダム発

2022年12月16日

オランダ政府主導のスケールアッププログラムであるTechLeap外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます125日、「スタートアップ雇用レポート2022外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。レポートによると、オランダのスタートアップの過去1年間の国内雇用者数は前年に比べ7.6%増加し、約135,000人となった。オランダ現地メディア「nrc」は同日、米国のメタ(Meta)、ツイッター(Twitter)、ストライプ(Stripe、決済アプリ)、オランダのメッセージバード(MessageBird、コミュニケーションサービス)などのIT大手が従業員の解雇を進めている中、対照的な結果だと報じた。

レポートでは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)をビジネスの中核に据えて課題解決を図る環境系スタートアップ(インパクト・スタートアップ)が、特に雇用者数を伸ばしているとしている。また、オランダの環境系スタートアップは2022年にベンチャーキャピタルから約10億ユーロの投資を得た。オランダのテック企業への投資額のうち、3分の1が環境系スタートアップ向けだったという。

nrc」の報道によると、インフレや金利の上昇などビジネス環境の悪化要因はあるものの、投資家が持続可能な開発を行う企業に対してリスクの高い投資を行うことへの抵抗はない、との見方を示した。さらに、2016年以降、SDGs関連の投資額も増えており、気候変動対策などに取り組む企業は、そうでない企業に比べ市場で高く評価されている、と分析している。「nrc」に対し、TechLeapのモーリス・バン・ティルバーグ氏は「(ロシアによるウクライナ侵攻に端を発する)ガス危機により、省エネに力を入れている企業の経済的魅力が増している」と述べた。

(望月竜之介)

(オランダ)

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