ジェトロが大連市で日本酒体験イベントを開催

(中国)

大連発

2022年12月01日

ジェトロは1127日、大連市で日本酒に関心を持つ一般消費者向けのプロモーションを実施した。今回のイベントは、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO、注1)の取り組みの一環で、中国で日本酒の愛好者を増やして消費拡大を図っていくことが目的。

会場には、(1)日本酒の味と種類や濁り酒などの特徴的な日本酒を体験する飲み比べ体験エリア、(2)日本酒と料理(日本料理と大連海鮮料理)のペアリング体験エリア、(3)日本酒をベースとした6種類のカクテル作りができるDIYDo It Yourself)体験エリア、(4)日本酒の基礎知識セミナーおよびゲームを行うエリアなどを設けたほか、現地インポーター5社も出展。地元の飲食店関係者を含む92人が来場し、日本酒のほか、リキュール、ウィスキー、焼酎、ビールなど約80銘柄の日本産酒類が試飲用として提供された。

日本酒の愛好者からは「数多くの銘柄を知ることができ、購入する際の選択肢が広がった」「日本酒のカクテル作りは初めて体験した。飲みやすくて自宅でも楽しみたい」との声があがった。また、日本酒に初めて触れる来場者からは「日本酒は遠い存在だったが、おいしい銘柄や楽しみ方が多いことに気づいた」との声も聞かれた。

また、現地インポーターの多くから、「試飲は、中国で広く知られていない銘柄を、消費者に知ってもらうための大事なプロセス。新型コロナ禍でもこのような機会が得られてありがたい」といった声があった。

なお、来場者へのアンケート(注2)によると、「今後の日本酒の購入意向」については、97%が「購入する」と回答した。「購入ルート(複数回答可)」については「オンライン」(71%)、「スーパー」(65%)が上位を占めた。「購入時に最も重視するポイント(複数回答可)」は「味」(88%)と「価格」(76%)とし、「銘柄の受賞経歴」(16%)の重視度は低かった。1本あたりの希望購入価格については、自宅での飲酒は「200299元(約4,0005,980円、1元=約20円)」(44%)、贈答用には「300499元」(34%)、料理店での飲酒は「200299元」(38%)との回答が最も多かった。

またアンケートでは、来場者の9割以上が、今後も日本酒に関するイベントに参加したいと回答。「日本酒についてさらに知りたいこと(複数回答可)」として、回答率の多い順番から、「日本酒の知識」「飲み比べ方法」「料理とのペアリング方法」「銘柄にまつわるストーリー」「中国で流通している日本酒」を挙げた。

写真 日本酒の飲み比べ体験エリアで試飲する様子(ジェトロ撮影)

日本酒の飲み比べ体験エリアで試飲する様子(ジェトロ撮影)

写真 日本酒のカクテル作り体験の様子(ジェトロ撮影)

日本酒のカクテル作り体験の様子(ジェトロ撮影)

写真 現地インポーターのブースで紹介を受ける様子(ジェトロ撮影)

現地インポーターのブースで紹介を受ける様子(ジェトロ撮影)

(注1)JFOODOは、2017年4月に日本政府によって設立された日本産農林水産物・食品のブランド構築のためのプロモーション専門機関。JFOODOでは、プロモーションの実施に先立ち、市場調査の分析などに基づいたマーケティング戦略を策定し、その戦略に基づいて、現地で消費者向けのプロモーションを実施している。

(注2)有効回答数は85人。

(呉冬梅)

(中国)

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