香港、新型コロナ防疫措置のさらなる緩和、入境後の飲食店利用が可能に

(香港)

香港発

2022年12月14日

香港特別行政区政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は12月13日の記者会見で、ワクチンパス(注)における黄色のQRコードを取り消すと発表した。12月14日から適用する。黄色のQRコードは、海外からの入境者のうち健康観察期間中(現在は3日間)に表示され、その期間は飲食店、フィットネスセンター、美容院などに立ち入ることはできなかった(2022年9月26日記事参照)。今回の措置により、出張者や旅行者など海外からの入境者は、PCR検査や迅速抗原検査(RAT)などで新型コロナウイルスの陽性診断がされない限りは、入境後すぐに飲食店などを利用することが可能となる。

李行政長官は、新型コロナ感染対策に関する今回の決定について、データとリスクを考慮したと言及。海外からの輸入感染の拡大リスクが、香港域内での感染拡大リスクよりも低いことから、黄色のQRコードを取り消すことで、社区(コミュニティー)での感染拡大リスクが高まることはないと説明している。医務衛生局の盧寵茂局長は「最近の輸入症例の比率は全体のおよそ3.8%だが、そのほとんどが空港到着時のPCR検査で見つかっており、その後の検査での陽性率はたった1.6%だった。社区での検査における陽性率約2.5%に比べて低い」と述べた(「香港経済日報」12月14日)。

「安心出行(LeaveHomeSafe)」アプリはスキャン不要に

同時に、指定施設入場時に利用が求められていた、新型コロナ感染リスク通知アプリ「安心出行(LeaveHomeSafe)」については、QRコードをスキャンする必要がなくなると発表した。ただし、飲食店などに立ち入る際に、適切なワクチンパスの提示が必要となる現在の運用に変更はない。

(注)「ワクチンパス」は、モバイルアプリでスマートフォン上にQRコードを表示させて使用する、新型コロナワクチンの接種記録。色による識別は、赤色(感染者)、黄色(海外からの入境者のうち健康観察期間中)、青色(赤色、黄色以外)の3種類。黄色は2022年8月9日から導入された(2022年8月26日記事参照)。

(山口雅史)

(香港)

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