入国時の無作為抽出対象者へのPCR検査再開

(インド)

ニューデリー発

2022年12月27日

インド保健・家庭福祉省(MoHFW)は12月24日から、無作為に抽出した国外からの入国者に対するPCR検査を再開した。各フライトの搭乗者のうち無作為に選ばれた全体の2%は、インド国内空港到着時にPCR検査を受けることが求められる。なお、12歳未満の渡航者は抽出対象から除外する。

新型コロナウイルスを巡るインド入国規制は2022年2月以降、段階的に緩和されてきた(2022年2月15日記事2022年8月15日記事参照)。しかし、日本や中国などでの感染拡大や感染力の強い新規変異株の出現を受け、11月にいったん撤廃した空港でのサンプルPCR検査(2022年11月24日記事参照)が復活することになった。

マンスク・マンダビヤ保健・家庭福祉相は12月21日に開いた政府関係者との会合で、国内各地の感染状況の監視強化を宣言し、そのプラットフォームとして同省主導の「新型コロナ・ゲノミクス・コンソーシアム(INSACOG)」の枠組みを積極的に活用していくことを明らかにした。各州政府には、PCR検査の陽性者のサンプル全件を指定研究所に毎日送付するよう要請したほか、インド国民にも「新型コロナはまだ終わっていない」として、マスク着用や手洗い、ソーシャルディスタンスの確保などの予防対策を呼び掛けた。

当地のメディアでは、日本など特定国からの入国者に対し、渡航前のPCR検査の陰性証明書の取得や、事前オンライン申告を再義務化するといった報道も一部でみられる。しかし、MoHFWは24日、同省の公式ツイッターアカウントで、この報道は事実ではないとして否定している。

インド国内の新規感染者数は12月現在、1日当たり300人以下で推移している。新型コロナウイルス感染対策としての行動制限はほぼ解除されており、街中でマスクを着用している人を見かける機会は減っているのが実情だ。

(広木拓)

(インド)

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