新型コロナ感染拡大で市民生活に影響、学校はオンライン授業、発熱外来も増設

(中国)

上海発

2022年12月22日

中国の上海市教育委員会は12月16日、現在の新型コロナウイルス感染状況を踏まえ、市内の学校について、19日から授業を全てオンラインに切り替えると発表した。ただし、中学校と高校の3年生は同措置の対象外となる。幼稚園(保育所、保育園を含む)は一部の場合を除いて、園児の登園を禁止した。

上海市では感染の急拡大により、市民が外出を控えるなど警戒感が高まっているほか、一部地域で解熱鎮痛薬や新型コロナウイルスの抗原検査試薬が薬局などで購入できない事態も発生しており、市民生活にも影響が拡大している(2022年12月16日記事参照)。

国務院の共同予防メカニズムが16日に行った記者会見では、新型コロナウイルス対策は感染症の「予防と管理」から「治療」に移行したと述べた。上海市衛生管理委員会では、発熱外来への需要に対応するため、19日から市内のさまざまな衛生サービス機関に2,594カ所の発熱外来を設置したと公表しており、感染拡大に伴う対策を進めている。また、製薬会社は医薬品の需要増加に対応するため、供給を増やしているという(「新華社」12月18日)。

感染拡大は2023年3月中旬まで続く見込み

中国疾病管理予防センター(CDC)の吴尊友疫学首席専門家は17日、財経の第20回年次総会で、この冬の新型コロナウイルス流行は「1つのピークと3つの波(一峰三波)」と要約できると説明した。第1波は2022年12月中旬から2023年1月中旬にかけての都市部を中心とした感染拡大、第2波は2023年1月下旬から2月中旬の春節(旧正月)前の人の移動による感染拡大、第3波は2023年2月下旬から3月中旬にかけて、春節後に人が仕事に戻る際に生じる感染拡大を指す。これらの3つの感染拡大の波は、2022年12月中旬から2023年3月中旬の約3カ月間続くと予想されている。

(神野可奈子)

(中国)

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