11月の自動車市場、生産・販売ともマイナス、2023年も市場低迷の懸念

(中国)

上海発

2022年12月16日

中国自動車工業協会(CAAM)が129日に発表した11月の自動車販売・生産台数は、いずれも前年同月比7.9%減で、それぞれ2328,000台と2386,000台だった。6月以来半年ぶりのマイナスとなった。前月比ではそれぞれ7.1%減と8.2%減だった。

販売台数の内訳は、乗用車が前年同月比5.6%減の2075,000台、商用車が23.4%減の253,000台となり、3カ月連続の減少だった。うち、新エネルギー車は72.3%増の786,000台で、販売台数の市場占有率は引き続き右肩上がりで33.8%に達した。また、輸出は64.8%増の329,000台だった。

111月の自動車販売台数は前年同期比3.3%増の2,4302,000台、生産台数は6.1%増の2,4628,000台となった。110月より伸び率がそれぞれ1.3ポイントと1.8ポイント減少した。部門別の販売台数をみると、乗用車は11.5%増の2,1292,000台、商用車は32.1%減の301万台となり、うち新エネルギー車は2倍の6067,000台で、販売台数における市場占有率は25%となった。輸出は55.3%増の2785,000台だった。

11月の自動車市場について、CAAMは「生産および販売台数がいずれも減少、下押しの傾向が顕著となり、市場全体の景気が予想どおりにはならなかった」と指摘した。また、自動車産業が直面する現状について、「ディーラーの成長鈍化、消費の低下により、自動車市場の下押し圧力は明らか」と指摘するとともに、「2023年も乗用車の車両取得税優遇政策および地方の自動車消費促進政策などを継続することを建議していく」と述べた。

乗用車市場信息聯席会(CPCA)は、自動車市場の現状について「昨年の半導体供給不足が徐々に解消され、小売り側の在庫も潤沢になった。これらは自動車市場の安定的成長を促すものになった」と述べた。一方で、「中低所得層の1台目購入に対する消費刺激策は早急に取り組むべきであり、需要促進のための支援も不足している。経済効果と環境への対応をバランスよく対応するため、政府による低燃費車に注力した支援政策が依然として必要だ」と指摘した。また、今後の自動車市場については、新型コロナ禍の影響により乗用車の需要が予想を大きく下回っており、多くのメーカーは2022年第4四半期の販売目標を達成できず、2023年の自動車市場低迷への懸念がある。燃料電池車に期待された春節前の需要は予想より小さくなると予測している。

(宋青青)

(中国)

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