MSCグループがボロレ・アフリカ・ロジスティクスを買収

(アフリカ、フランス、スイス)

中東アフリカ課

2022年12月23日

海運大手のMSCグループ(本社:スイス)は、100%子会社のSASシッピング・エージェンシーズ・サービスを通じて、12月21日、フランス複合企業ボロレ・グループから、ボロレ・アフリカ・ロジスティクスを57億ユーロで買収完了したことを発表した。ボロレ・アフリカはグループ傘下となり、新しいブランド名は2023年に発表される予定。

ボロレ・アフリカは、アフリカ47カ国で展開する運輸最大手で、現在、アフリカの42カ所の港湾でオペレーターなどの事業を行っている。2021年のコンテナ取扱量は前年比14%増の632万TEU(20フィートコンテナ換算)、ROROターミナルの取扱量は23%増の18万4,000台。

MSCグループは、非上場企業で世界155カ国、うちアフリカでは40カ国以上に展開している。現在はロメ(トーゴ)、サンペドロ(コートジボワール)、タンジェ(モロッコ)、ティンカン島(ナイジェリア)の4カ所のターミナル事業を行っている。既に大陸の隅々まで輸送ネットワークを有するが、2022年8月には内陸国のチャドおよび中央アフリカとカメルーンのドゥアラを結ぶ内陸輸送サービスを、11月にはセネガルから英仏など欧州への生鮮品の輸出の需要に応え、両地域を直接結ぶ輸送ルートを、12月14日にはコンゴ共和国のポワント・ノワール港とコロンボ経由で日本を含む東アジアを結ぶ航路を新設するなど、積極的にネットワーク拡張に取り組んでいる。MSCグループは、今回の買収を通じて、アフリカと世界各地、そして、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の進展を見据えたアフリカ域内のコネクティビティ改善への取り組みを、今後より一層強化していく意向を示している。

(佐藤丈治)

(アフリカ、フランス、スイス)

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