デリー首都圏でのディーゼル発電機使用規制を一部暫定緩和

(インド)

ニューデリー発

2022年12月20日

インドのデリー首都圏・周辺地域の大気汚染対策を所管する大気質管理局(CAQM)は12月16日、空気質指数(AQI)が301以上(対策ステージ2以上)の際に発動されるディーゼル発電機に対する規制の一部を暫定的に緩和すると発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。対象となるのは、天然ガス供給がある地域において製造業企業が使用しているディーゼル発電機だ。今回の部分的な暫定緩和措置の主な内容は以下の2点で、適用期間は2023年9月30日までとされている。

  • 容量800キロワット(kW)ちょうどのディーゼル発電機に関しては、ディーゼル・天然ガス併用可能タイプに改造し一定の排ガス基準(2022年9月14日付CAQM指令)を満たしていれば、排ガス処理装置(RECD)の装着がなくとも、1日当たり最大2時間まで使用可能。
  • 容量298キロワット超かつ800キロワット未満のディーゼル発電機に関しては、ディーゼル・天然ガス併用可能タイプに改造していれば、RECDの装着がなくとも、1日当たり最大1時間まで使用可能。

従来、空気質指数(AQI)が301以上(対策ステージ2以上)の際に製造業企業がディーゼル発電機を使用するには、中央公害規制委員会(CPCB)が指定した検査機関が認定するRECDの装着が必要と定められていた(2022年10月4日記事参照)。しかし、実際には容量298キロワットを超えるディーゼル発電機向けのRECDは、インド国内で入手が困難であることから、産業界では混乱が広がっていた。CAQMは今回の通達において、検査機関に対し、容量800キロワットまでのディーゼル発電機向けRECDの認定を、2023年3月30日までに完了させることも要請した(注)。

(注)容量800キロワット(kW)を超えるディーゼル発電機に関しては、検査機関の認定はなじまないとして、一定の基準を満たせば使用可能とした(2022年9月14日付CAQM指令PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

(広木拓)

(インド)

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