赤道ギニアで大統領選、現職ンゲマ大統領が6選

(赤道ギニア、米国)

中東アフリカ課

2022年12月01日

赤道ギニアで11月20日、大統領選挙が行われ、現職のテオドロ・オビアン・ンゲマ大統領が6期目となる当選を果たした。同日には、議会選挙も行われ、ンゲマ大統領率いる赤道ギニア民主党(PDGE)を中心とする与党連合が、下院100議席と上院70議席(注)の全ての議席を獲得した。

同国選挙管理委員会の11月26日付の発表によると、今回の選挙の投票率は98%。ンゲマ大統領は94.9%の得票を獲得した。対抗馬としては、事実上唯一の合法野党である社会民主連合(CpDS)のアンドレス・エソノ・オンド氏と、社会民主連合党(PCSD)のモンシー・アスム氏が立候補していた。選挙の数週間前には、治安部隊が反政権派を逮捕するなど統制を強めていたが、政府は首都マラボや経済の中心地バタにおける反政権派による攻撃を阻止するためだと説明。また、隣国のガボンおよびカメルーンとの陸上の国境を閉鎖したことについては、投票を妨害する者の侵入を阻止するためだとしていた。

現在80歳のンゲマ大統領は1979年にクーデターで権力を握って以来、43年にわたり政権を維持しており、過去の選挙において得票率が93%に満たなかったことはない。また、赤道ギニアでは、1991年から複数政党制が導入されているが、事実上CpDSが唯一の合法野党となっており、PDGEが常にほとんどの議席を獲得してきた。

今回の選挙結果に対しては、米国のネッド・プライス国務省報道官が11月29日、脅迫や繰り返し投票など「重大な選挙関連の不正」があったとして、「結果の信憑(しんぴょう)性に対して大きな疑念を抱いている」と声明を発表。赤道ギニア当局に対し、全ての関係者と協力して、あらゆる不正の疑いに対処するよう求めた。

(注)このうち15議席は大統領が指名。

(梶原大夢)

(赤道ギニア、米国)

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