双日がインド高速鉄道と契約締結式

(インド)

アーメダバード発

2022年12月28日

インド高速鉄道公社(National High Speed Rail Corporation Limited:NHSRCL)は12月22日、日系大手商社の双日とラーセン・アンド・トゥーブロ(Larsen & Toubro Limited)とのコンソーシアムが過日受注していた(2022年12月9日記事参照)、「ムンバイ~アーメダバード間高速鉄道」の「サバルマティ総合車両基地パッケージD」の設計・建設工事案件につき、契約締結式を行った。締結式には、在インド日本大使館、国土交通省、国際協力機構(JICA)などの関係者も出席し、両者間で正式に契約書が交わされた。

NHSRCLのプレスリリースによると、「サバルマティ総合車両基地パッケージD」の内容は、車両整備場、検査上屋、保守・点検施設および関連の建物の工事を含む、サバルマティ・デポの設計・建設工事から成り、仙台と金沢にある新幹線のメンテナンス施設をベースに設計される。同車両基地には、高速走行に必要な振動、温度、騒音をチェックする機器、車両点検とメンテナンスに必要な特殊機器などが日本から調達される予定だ。同車両基地は、高速鉄道車両の安全で確実な保守点検のために、あらゆる機能を備えた施設となるとしている。

また、計画されている車両基地で安全かつ健康的な作業環境を提供するべく、適切な換気、騒音防止、防じんに配慮し、安全設備、雨水利用設備、LEDベースの人工照明に自然照明を加えたシステムなどを備えるという。将来的には施設の屋根にソーラーパネルを設置する計画に加え、最新のビル管理システム、IT・データネットワークシステム、火災探知・警報システム、入退室管理システムなどの導入も予定されており、先進的な機能を有することになりそうだ。

また、鈴木浩駐インド日本大使は12月21日、プラサドNHSRCL社長とともに、建設中のスーラット市の新幹線駅、鋳造工場など、グジャラート州南部の新幹線建設現場を視察、プロジェクトの進捗を確認した。同州では橋脚建設が既に始まり、合計17.32キロの高架橋がさまざまな場所に建設されているという。プラサド社長は「2023年10月までにスーラットとビリモラ間の優先区間の高架橋建設が完了する見込み」であり、「その後、線路敷設作業を開始し、2026年6月までに試運転を行う予定だ」と述べている(「インディアン・エクスプレス」12月22日)。

(古川毅彦)

(インド)

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