11月の自動車国内販売は好調、輸出は9カ月ぶりの減少

(メキシコ)

米州課

2022年12月20日

メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)は12月6日、11月の自動車統計(大型バスとトラックを除く)を発表した(添付資料表参照)。

国内販売台数は9万5,568台(前年同月比15.4%)と好調だった。11月は、メキシコ国内で、米国の「ブラック・フライデー」に相当する大型割引セール「ブエン・フィン(Buen Fin)」が開催された影響で、販売は前月比で4.9%上昇した。単月では2022年で最も国内販売台数が多い月となった。

メーカー別でみると、ゼネラルモーターズ(GM)が1万4,496台で前年同月比89.5%増と大幅な伸びを記録した。次いで、日産が1万4,235台で2.0%減、トヨタが9,374台で25.1%増、起亜が7,803台で14.8%増と、前年比で増加した企業が目立った。一方で、56.6%の大幅な減少をしたフォルクスワーゲン(VW)は、半導体不足によりプエブラ州の工場で生産されているコンパクトセダンのジェッタ(Jetta)とコンパクトSUV(スポーツ用多目的車)のタオス(Taos)の生産ラインを一時的に停止している(「エル・エコノミスタ」紙12月6日)。ジェッタの生産については、12月5~23日の期間で全シフトを停止している。タオスは、同期間で第2シフトのみ停止する。同紙は、同期間の生産ラインの停止により、約2,500台の生産機会を損失すると予想している。

輸出台数は、23万1,126台(前年同月比3.8%減)と、9カ月ぶりに減少に転じた。これは、メキシコの最大の自動車輸出相手国である米国への輸出が、前年同月の18万8,482台から18万726台に減少(4.1%減)したことが要因とみられる。メキシコのベース銀行経済分析ディレクターのガブリエラ・シラー氏は、メキシコの自動車輸出が減少傾向にあると結論付けるのは時期尚早としたうえで、「2022年12月と2023年1月の輸出が回復するか確認することが重要だ。もし落ち込みが続くのであれば、メキシコで生産される自動車の外需が実際に悪化している可能性がある」と述べた(「エル・エコノミスタ」紙12月7日)。

生産台数は27万8,824台で、前年同月比8.0%増加した。また、2022年1~11月の累計では306万8,810台で、前年同期比9.6%増加している。メキシコ自動車工業会(AMIA)のファウスト・クエバス会長は「生産者は、徐々に解消されている(半導体などの原材料部品の)供給不足に対して適切に対応している」と語った(「エル・エコノミスタ」紙12月7日)。

(小西健友)

(メキシコ)

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