11月の米国向け海上コンテナは前年同月比18.6%減、中国と香港の減少顕著、日本発は荷受地ベースで9.9%増加

(米国、日本、中国)

米州課

2022年12月13日

米国調査会社デカルト・データマインが発表した米国向け海上コンテナ輸送量に係る11月分のデータによると(注1)、同月の米国向け海上コンテナは、前年同月比18.6%減の195万3,878TEU(20フィートコンテナ換算)で、アジア上位10カ国・地域からの海上コンテナは20.2%減の132万4,188TEUとなった(添付資料表1参照)。10月(2022年11月14日記事参照)と比べても、米国向け海上コンテナ全体で11.7%減少し、アジア上位10カ国・地域からの海上コンテナで11.3%減少した。

アジアの国・地域別で米国向け海上コンテナの輸送量をみると、上位から中国、韓国、ベトナム、台湾、インド、シンガポールの順となり、前年同月からシンガポールとインドの順位が入れ替わったほか、前年7位だった香港は10位に大きく下落した。中国を出港地(注2)とする海上コンテナは前年同月比30.0%減の75万3,745TEU(寄与度:マイナス13.4ポイント)で、米国向け全体に占める割合は38.6%(前年同月差:6.2ポイント減)となった。アジア上位10カ国・地域が米国向け全体に占める割合は1.3ポイント減の67.8%だった。このうち前年同月から輸送量が増加したのは、ベトナム(25.5%増、11万2,447TEU)とタイ(8.2%増、2万9,136TEU)のみで、そのほかの国・地域では減少した。中国と香港(45.0%減、2万1,117TEU)の減少は顕著で、新型コロナウイルス対策のゼロコロナ政策の影響が垣間見える。

中国と日本発の海上コンテナの内訳を荷受け地ベースで確認すると、中国発は前年同月比31.9%減の72万6,031TEUだった。HS上位2桁をみると(添付資料表2参照)、上位10品目はいずれも、前年同月から2桁の割合で減少している。輸送量最大の家具、寝具(HS94類)が前年同月比34.2%減(寄与度:マイナス6.0ポイント)の12万3,350TEU、2番目に輸送量の多い一般機械(HS84類)が19.5%減の7万4,599TEU(マイナス1.7ポイント)だった。減少幅と寄与度のマイナス幅が最も大きかった品目は、前年同月の2位から5位に下落した玩具、遊戯用具(HS95類)で、56.8%減の5万3,664TEUだった。

日本発は前年同月比9.9%増の5万1,802TEUだった。日本は、母船積み地ベースでみると、前年同月比2.2%減だったが、荷受け地ベースでは輸送量は増加している。HS上位2桁をみると、最上位3品目に当たる一般機械(1万3,473TEU)、自動車・同部品(HS87類、1万912TEU)、ゴム(HS40類、6,332TEU)で、それぞれ18.6%(寄与度:プラス4.5ポイント)、16.1%(プラス3.2ポイント)、9.8%(プラス1.2ポイント)増加しており、全体を押し上げる要因となった。

(注1)データは随時更新される。本記事は12月12日にダウンロードしたデータに基づく。

(注2)母船積み地ベースであることを意味する。

(片岡一生)

(米国、日本、中国)

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