EVピックアップトラック、ミレニアル世代ではトヨタ車が人気、米民間アンケート調査

(米国、日本)

ニューヨーク発

2022年12月01日

米国自動車オンライン販売サイトのオートリストが実施した、全電動モデルのピックアップトラックに関する意識調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注)によると、同車種を購入する場合、回答者の24%がフォード「ライトニング」、20%がトヨタ「タコマ」、15%がテスラ「サイバートラック」を選ぶと回答した。ガソリン車を含めピックアップトラックを所有したことがない回答者に限定すると、22%が「タコマ」を選ぶと回答し、全モデル中で最多となった。「タコマ」は電気自動車(EV)を所有する回答者の中でも3番目の人気で、オートリストはトヨタ車が人気の背景について「自動車業界における環境リーダーとしてのブランドイメージがある」と評価している。

米国では、ガソリン車を含む新車販売台数の上位3モデルがピックアップトラックで、同車種の電動化に対する消費者意識はEV市場を見通す上で参考になる。「ライトニング」は、新車販売台数でモデル別首位のピックアップトラック「F-150」の全電動モデル。オートリストのコーリー・リドストーン社長兼最高経営責任者(CEO)は「トラックは常に米国自動車市場の要であり、トラックの購入者は業界で最もブランドに忠実だ。われわれは調査を通じて、電動トラックがその中でどのように位置づけられるのかを確認したかった」と述べた。

トヨタ車は特にミレニアル世代で人気

今後5年以内にピックアップトラックの購入を予定している回答者に、全電動モデルを選択する可能性があるかを聞いたところ、同車種を所有したことがない回答者では42%、同車種所有経験者では33%だった。また、EV所有経験者の66%が、全電動モデルのピックアップトラックの購入を検討すると回答しており、EVを所有したことがない回答者の34%を大きく上回った。

世代別にみると、ジェネレーションZ(18~25歳)では「サイバートラック」を購入する可能性があると回答した割合が32%で最多となり、ミレニアル世代(26~41歳)では「タコマ」が21%、ジェネレーションX(42~57歳)およびベビーブーマー(58~77歳)は共に「ライトニング」で、それぞれ25%、31%と最多だった。他方、ベビーブーマーで「サイバートラック」を好む割合は6%にとどまり、世代間で嗜好(しこう)の違いが明らかになった。全電動ピックアップトラックを購入する上での懸念事項については、「価格が高すぎること」が51%、「充電施設へのアクセス」が50%を占めた。「航続距離」は35%で、3番目に多かった。

(注)調査期間は2022年10~11月。対象者は自動車の購入を検討している1,175人。対象車両は、2022年11月時点で販売中または間もなく販売予定の全電動車のピックアップトラック8モデル(フォード「ライトニング」、トヨタ「タコマ」、テスラ「サイバートラック」、シボレー「シルバラード」、GMC「ハマーSUT」「シエラ」、ラム「1500レボリューション」、リビアン「R1T」)。

(大原典子)

(米国、日本)

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