広東省、農村住民のEC利用の調査結果を発表、EC普及率は9割超

(中国)

広州発

2022年12月14日

中国広東省の消費者委員会は12月7日、「農村の電子商取引(EC)消費発展と消費者権益保護調査報告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。今回の調査はアンケートなどで15~70歳の農村常住人口を対象として実施し、有効回答数は3,032件。

アンケート調査対象者の年齢構成は「15~24歳」24.4%、「25~34歳」37.8%、「35~44歳」22.1%。居住地別では珠江デルタ地域の農村居住者が4割を超えた。

調査結果によると、情報インフラ整備の進展と宅配サービスの展開に伴い、農村でのEC普及率は95%に達し、うち「ECをよく利用する」との回答は76%だった。なお、2018年の調査で、ECを主な消費チャネルとするとの回答は56%にとどまっていた。

農村で最も利用率が高いプラットフォームはタオバオ

「よく利用するECプラットフォーム」(複数回答可)について、総合型ECでは「淘宝(タオバオ)」80%、「京東(JD)」57%、「拼多多(Pinduoduo)」56%だった。ソーシャルEC(注)では、「抖音(TikTok)」が37%と最も多く、「快手」が18%と続いた。

同委員会は、農村振興戦略の深化に伴って住民の生活水準が向上したことに加え、若者をはじめとする都市部人口の還流もあり、農村での高品質な商品に対する需要は旺盛になっているとしつつ、「買うことができない」「買う勇気がない」などといった心理は依然として存在していると分析した。委員会はこの調査結果を踏まえ、農村部のECを通じた消費活動のさらなる活性化に向けた提言として、政府の政策支援を強化することで、より多くのEC企業に農村市場参入を促し、高品質な製品とサービスの供給を増やしていくことが重要との見解を示した。また、農村の交通や情報、物流、倉庫などのインフラ投資の強化、農村サービス業の育成・発展の加速の重要性についても指摘した。

(注)ソーシャルECは、SNSとEコマースを掛け合わせて商品の販売促進を行うもの。

(梁梓園)

(中国)

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