4カ月間の計画停電を予定、水量不足で発電困難に

(ザンビア、ジンバブエ)

ヨハネスブルク発

2022年12月09日

ザンビアのピーター・カパラ・エネルギー相は12月2日、12月15日から計画停電を開始すると発表した。ジンバブエとの国境にある人造湖カリバが過去最低水位に近づいており、水力発電が困難になったためだ。計画停電は今後4カ月間にわたり、1日当たり最長6時間になる見込みだ。

ザンベジ川からカリバ湖に流れ込む水量の減少と、発電のために取水しすぎたことが原因とみられる。11月28日現在で貯水能力の4.1%となり、ザンビアとジンバブエ両国の水力発電所の稼働が危ぶまれている。

カリバ湖を挟んで、ザンビア側には1,080メガワット(MW)の発電能力を有するカリバ北岸発電所、ジンバブエ側には1,050MWのカリバ南岸発電所がある。カリバ湖の水源はザンベジ川管理公社(ZRA)を通じて、両国が共同管理している。

2022年度は、両国にそれぞれ水量225億立方メートルの使用が割り当てられていた。11月25日時点でジンバブエは年間割当水量を超える約239億立方メートルを使用しており、ザンベジ川管理公社はジンバブエ側にカリバ南岸発電所での発電を即時停止するよう勧告していた。ザンビア側には割当水量が約24億立方メートル残っている状態だが、水位低下が著しいため、計画停電に踏み切った。

ザンビアの電源は75%以上が水力発電だが、今後、気候変動による降雨量の変動などで安定した発電量確保が難しくなる見込みであり、2022年に発表された第8次国家開発計画では、太陽光、風力、バイオガスなどの電源を拡大するとしている。

(堀内千浪、高瀬かおり)

(ザンビア、ジンバブエ)

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