外貨準備高は輸入約5.5カ月相当、輸入抑制でL/C開設できない状況も
(バングラデシュ)
ダッカ発
2022年12月21日
バングラデシュ銀行(中央銀行)が12月に入って発表した統計によると、11月末時点での外貨準備高は337億8,960万ドルとなり、前年同月(448億8,110万ドル)比で110億9,150万ドル減となった。2022年10月単月の輸入額(61億5,700万ドル)を基準とすると、輸入の約5.5カ月相当となる。
同国では7月以降、外貨流出防止を目的としたエネルギーを含めた輸入抑制措置を講じており(2022年7月20日記事参照)、輸入の5.5カ月相当の外貨準備高はその基準に沿った計算となる。また、中銀は7月28日、300万ドル以上の輸入時には信用状(L/C)を開設する商業銀行に対して、事前に中銀に通知するよう通達を出している。本通達以降、L/Cの開設に時間を要する、もしくは開設できないという声が在バングラデシュ日系企業や現地取引先から出ており、本通達の背景には、中銀による輸入抑制や商業銀行におけるドルの保有残高制限などの影響があるとみられる。
同国政府は11月9日、IMFと45億ドルの融資について、事務レベルによる合意に達した(2022年11月28日記事参照)。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻下においてエネルギー価格上昇や通貨タカ安傾向も進行している中、輸入抑制による外貨準備高の保持が長期的な対応になることが見込まれている。
(安藤裕二)
(バングラデシュ)
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