高インフレ下のブラックフライデー、オンライン販売額が史上最高を更新

(オランダ)

アムステルダム発

2022年12月14日

後払い決済サービスで急成長を続ける欧州最大のフィンテック企業の1社、スウェーデンのクラーナ(Klarna)は11月26日、高インフレ(注)にもかかわらず、オランダで「ブラックフライデー」セールのオンライン販売売上高がオランダ史上最高を更新したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ブラックフライデー当日(毎年11月第4金曜日)のオンライン販売額が前年比28%増加したのみならず、ブラックフライデー前の月曜日から始まる一週間の「ブラックウイーク」の販売額も30%増え、月曜日には40%の大幅増だった。今年のブラックフライデー期間中に最も売れた製品カテゴリーは電化製品、健康・美容品、アクセサリー類だった。

クラーナのウィルコ・クラッセン氏は「ここ数カ月、多くの消費者が物価上昇の影響を受けており、消費習慣を調整しなければならなかったため、今回のブラックフライデーの様子を注視していた。その結果を見ると、多くの消費者がブラックフライデーをホリデーギフトや高額商品の買い物をする機会と捉えていたことがわかった」と述べた。

オランダ最大のクレジットカード会社ICSも11月26日、ブラックウイークとブラックフライデー期間中のクレジットカード決済による取引額が前年比30%以上増加したと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。2021年と比較すると、期間中のオランダのオンラインサイト利用が6%減だったのに対して、米国や英国、ドイツなどの国外オンラインサイトの利用が増加したと分析した。

オランダ決済協会の同日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ブラックフライデー当日は通常の金曜日に比べ、オンラインサイトでのクレジットカードまたは銀行口座とひもづいたオンライン決済手段のiDEALによる取引数が55%増加し、売り上げが70%増加した。一方、店舗での販売数は10%増、売り上げ(デビットカードやクレジットカードでの決済)は15%増にとどまった。新型コロナウイルス流行前の2019年と比べると、オンライン販売数が60%増加し、売り上げも85%増加した。

(注)オランダ中央統計局(CBS)の11月8日付発表によると、2022年10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比14.3%外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、史上最高水準だった。

(浅見早映)

(オランダ)

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