ノルウェー政府、アフリカのクリーンエネルギーに追加支援を発表

(ノルウェー、エジプト、アラブ首長国連邦)

ロンドン発

2022年11月16日

ノルウェー政府は11月11日、アフリカのクリーンエネルギーへの支援を5億ノルウェー・クローネ(約70億円、NOK、1NOK=約14円)に増額することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

ノルウェーは、アフリカ開発銀行(AfDB)の「アフリカのための持続可能なエネルギー基金」(SEFA)に対して、3億NOKの追加支援を決定し、ノルウェー開発協力局(Norad)を通して総額5億NOKをアフリカのクリーンエネルギーに拠出する。SEFAは、AfDBが運営するファンドで、再生可能エネルギーとエネルギー効率化に対する民間企業の投資を促進するため、資金を提供している。同ファンドは、5,000メガワット(MW)以上の再エネ発電に投資を集中し、750万人に電力を供給することにより、アフリカのクリーンエネルギーへのアクセス支援を目指す。ノルウェーは2018年からSEFAを支援し、2021年には約14万台の電気設備の新規設置と、画期的な調理用ストーブ向けファンドのスパークプラスアフリカファンド(注)の立ち上げに寄与した。

ノルウェー政府は11月7日、11月6~18日にエジプトで開催されている国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)の期間中、環境問題の優先事項として、気温上昇を1.5度以内に抑えるという目標の維持と、貧困国の気候変動対策への資金増額の支援を示した。さらに同政府は、気候変動に関する新しい目標を国連に提出することを発表。2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量を1990年比で少なくとも55%削減するとした。

アフリカ初のグリーン水素プラントを建設

ノルウェーの再エネ電力会社スカテック、アラブ首長国連邦(UAE)の窒素肥料メーカーのフェルティグローブ、エジプトのゼネコンのオラスコムコンストラクションおよびエジプト政府系ファンドは、エジプトにアフリカ初となる太陽光と風力発電によるグリーン水素プラント「エジプトグリーン」を建設、運用する。ノルウェーのヨナス・ガール・ストーレ首相とエジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領が11月8日、グリーン水素プラントの開所式に参加。同プラントは試運転を開始した。

カイロ郊外のアイン・ソクナに位置する同プラントで、100MWのグリーン水素を製造することにより、農業、輸送、重工業からのCO2排出を削減することができる。同プラント完成時には、太陽光発電所と風力発電所から電力が供給される予定。

(注)サブサハラアフリカ市場向けの次世代分散型調理エネルギー技術を提供する企業を対象とする、7,000万ドル規模のインパクト投資ファンド。

(島村英莉)

(ノルウェー、エジプト、アラブ首長国連邦)

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