米NY市、タクシー運賃の23%引き上げを了承、配車サービスも料金引き上げへ

(米国)

ニューヨーク発

2022年11月22日

米国ニューヨーク(NY)市のタクシー・リムジン委員会は1115日、タクシー運賃の引き上げに関する改正規則を採択した。タクシー運賃の引き上げは20129月以来、約10年ぶり。長く続く高インフレを反映したかたちだが、NY市居住者にとってはさらなる支出増につながり得る。

委員会によると、初乗り基本料金は2.50ドルから3ドルに、ラッシュ時の追加料金は1ドルから2.50ドルに、深夜料金は50セントから1ドルへの引き上げなどが行われ、平均的なタクシー料金は約22.9%上昇すると試算している。また、マンハッタン地域からジョン・F・ケネディ空港までのタクシー利用時における固定徴収料金は52ドルから70ドルに引き上げられる。委員会は今回の引き上げにより、タクシードライバーの収入は約33.3%増加するとしている。また、今回の料金引き上げ対象にはウーバーやリフトといった配車サービスも含まれ、1マイル(約1.6キロ)当たり約24%引き上げられる。例えば30分または7.5マイルの利用の場合、引き上げ後の最低料金は27.15ドルとなり、現在よりも少なくとも2.5ドル高くなる。複数メディアによると、料金引き上げは2022年末までに導入される見込みだ。

今回の措置によるタクシー運転者の賃金上昇が、NY市の最低賃金引き上げに波及する可能性もある。米国シンクタンクのエコノミック・ポリシー・インスティテュートによると、20227月に首都ワシントンが最低賃金を15.2ドルから16.1ドルに、ロサンゼルス市が15ドルから約16ドルに引き上げるなど、長く続く高インフレを踏まえて、最低賃金を引き上げる州や都市が相次いでいる。NY市の最低賃金は現在15ドルだが、物価の高い同市においても最低賃金引き上げを望む声は多い。今回、当局がタクシー運転手の賃金上昇も企図して運賃引き上げを容認したことは、最低賃金引き上げに関する動きの追い風となりそうだ。

NY市内では、地下鉄内の治安悪化により電車移動を避け、タクシーや配車アプリを利用する人は増えているとみられ、今回の引き上げは家計を圧迫する。さらにNY市内の自動車利用については、混雑時の通行料金導入が当局によって検討されている(「ニューヨーク・タイムズ」紙電子版1011日)。タクシーなどについては、適用除外案も検討されているが、適用除外とならなかった場合には、さらなる料金の引き上げも予想される。NY市での自動車利用時に発生するコストは今後、さらに上昇することが見込まれる。

(宮野慶太)

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