政府、国籍取得要件にカザフ語知識を盛り込む改正法案を作成

(カザフスタン、ロシア)

タシケント発

2022年11月18日

カザフスタン政府は、外国人がカザフスタン国籍を取得する要件に、国語であるカザフ語およびカザフスタンの歴史、国内法の知識を求める改正法案を作成した。現地複数主要メディアが報じた(「テングリニュース」「インフォームビューロー」118日)。

ロシアのウラジミール・プーチン大統領が921日に発令した部分的動員令により、動員対象となるロシア国民が大量に流入したことで、カザフスタンでは不動産の賃貸価格が高騰。さらに、ロシア国民の長期滞在や就労による国内労働市場の圧迫、社会不安や治安の悪化が懸念されている。

この情勢を受け、下院議員数人は105日、政府への意見書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を提出した。政府による人道的な観点でのロシア国民の受け入れには賛同するとしたうえで、a.「移民適応センター」を開設し、移民に対してカザフスタンの歴史、文化、生活様式、伝統、習慣、憲法や国内法に関する知識の習得、カザフ語の講義の履修を義務付けること、b.移民の二重国籍の有無を確認すること(注1)、c.思想・行動の厳密な管理・監督(SNSやネット上での発言・やりとりの監視)を徹底することを要請した。

政府は「移民問題対策本部」を立ち上げ、4回にわたる会合を開催し、113日に意見書に対する回答文書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。この中で、国内法「カザフスタン共和国の国籍について」および「移民について」に追加・修正を加え、a.国語(カザフ語)、カザフスタンの歴史、基本的国内法を知らない者に対して国籍を与えないこと、b.移民は、移民適応センターで国籍取得要件の教育を受けられることを明記した法案が作成されたと記している(注2)。

カザフスタン内務省移民委員会によると、動員令発令以降、42万人のロシア国民がカザフスタンに入国し、うち31万人がすでに出国したとしているが(フォーブス・カザフスタン1020日)、アスタナ、アルマトイを中心に依然、多くのロシア国民が滞在しているとみられる。

(注1)カザフスタンは二重国籍を認めていない。

(注2)本法案は、カザフスタン国外のカザフ人ディアスポラ、カザフスタン国民の配偶者などに対しては適用されない(インフォームビューロー・テレビニュース 119日)。

(増島繁延)

(カザフスタン、ロシア)

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