米首都ワシントンの地下鉄、ダレス国際空港まで延伸、中心部まで直通で約50分に

(米国)

ニューヨーク発

2022年11月21日

国首都ワシントンの交通局は1115日、地下鉄路線「シルバーライン」を延伸開業した。延伸区間には国際空港のワシントン・ダレス空港も含まれており、これまで車での移動が主だったワシントン中心部とダレス空港を電車で直接移動できることになった。

今回、シルバーラインは11.4マイル(約18.3キロ)延伸され、ダレス空港駅を含む6駅が新設された(添付資料図参照)。延伸区間の電車は1015分おきに運行し、ダレス空港駅から官庁などの最寄り駅ファラガット・ウエスト駅やメトロセンター駅には約50分で直通移動できる。運賃は時間帯により異なるが、2ドルから6ドルとなっている。ダレス空港は全日本空輸の東京からの直通便も運航しており、空港ターミナルから駅までは地下通路により徒歩で移動でき、日本の旅行者の利便性が大きく向上する。この路線延伸に伴い、これまで空港とシルバーラインの間で運行していたシルバー高速バスは1116日をもって全便が終了した。

今回の延伸には総額30億ドルがかかり、当初の予算を25,000万ドル超過した。建設期間も当初4年だったが、新型コロナウイルス感染拡大による影響などもあり、延べ8年を費やした(「ワシントン・ポスト」紙電子版1115日)。ワシントン交通局によると、新設の6駅の周辺5マイル(約8キロ)圏内には42万人が住んでいるが、今回の延伸は地域住民の利便性向上に資するとしており、地域住民にとっても今回の延伸は待ち望んでいたものだった。オープニングセレモニーには約500人が集まり、連邦政府からピート・ブティジェッジ運輸長官が参加し、「今回の延長により、生活がより便利になり、地域全体で職場へのアクセスが向上するとともに、渋滞に巻き込まれる時間が短縮され、ダレス空港へのアクセスが向上する」と述べて、祝意を示すとともに、バイデン大統領がインフラ投資雇用法に署名して1年が経ち、全国の交通システムが改善しているとし、政権の実績もアピールした。

(宮野慶太)

(米国)

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