日揮グローバル、ナイジェリアのFLNG基本設計役務を受注

(ナイジェリア、日本)

ラゴス発

2022年11月25日

日揮ホールディングスは11月18日、海外プラント建設工事(EPC)事業会社の日揮グローバルがナイジェリアでUTM FLNG社が計画している浮体式液化天然ガス(LNG)生産施設(FLNGプラント)に係る基本設計役務を受注したことを発表した。受注金額は非公開で、納期は2023年12月を予定している。

UTM FLNGは原油販売などを主業とするナイジェリアの民間会社UTMオフショアの完全子会社。このプロジェクトで、米国エクソンモービルやナイジェリア国営石油公社が所有するガス田(ヨホ鉱区)の天然ガスを原料として、洋上での年120万トンのLNG生産を計画している。

日揮グローバルは基本設計の前段階の「概念設計」を2021年に受注しており、今回はそれに続く案件として、フランスのテクニップ・エナジーとコンソーシアムを形成して受注した。同プロジェクトを担当する日揮グローバルの安松慶太氏は「実現すればナイジェリア初のFLNGプラントとなる本案件は、エネルギー安全保障が叫ばれる昨今、ナイジェリアの期待も高い。今後、基本設計役務遂行と並行して、最終投資決定に向けて営業活動を継続したい」と述べた。

11月16日にロンドンで行われた調印式には、ティミプレ・シルバ石油担当国務相が出席した。同国務相は、このプロジェクトは政府の「ガスの10年」イニシアチブに示した天然ガスの生産と消費の拡大に向けた政策の正当性を証明するものと述べた。

世界がクリーンなエネルギー源に移行する中、ナイジェリアは209兆立方フィート(Tcf)以上の確認済みガスと600Tcfの潜在的な埋蔵量を有すなど、アフリカでは最も多く、世界のトップ10に入る。このプロジェクトが実現すれば、ナイジェリアで初、アフリカでは3番目のFLNGプラントとなり、アフリカの地場企業が開発、所有する最初のFLNGプラントとなる。

(馬場安里紗)

(ナイジェリア、日本)

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