香港フィンテック・ウイーク開催、香港政府がフィンテックの取り組みを紹介

(香港)

香港発

2022年11月04日

「香港フィンテック・ウイーク2022」が10月31日~11月1日に開催された。本イベントはハイブリット形式で実施され、リアル参加では約2万人が来場したほか、約80の経済圏から300万人以上がオンラインで参加した。香港政府、大手金融機関などがフィンテックに関する取り組みや規制について、パネルディスカッションなどを通じて議論した。

陳茂波(ポール・チャン)財務長官は初日の基調講演で、香港政府によるフィンテックの取り組みを紹介。香港金融管理局(HKMA)が発表した「フィンテック2025」戦略(注)の主要なイニシアティブの1つである、商用データ交換(Commercial Data Interchange:CDI)に関するデータインフラストラクチャーの構築について言及した。CDIは10月24日に正式にスタートした取り組みで、金融機関が中小企業などの商業データを、公的機関および民間のデータ提供者から取得可能とするもの。より効率的な金融仲介を可能にし、データ共有の強化を図ることを目的としている。

陳財務長官はまた、財務事務・庫務局が10月31日に発表した「暗号資産の開発に関する政策綱領」についても言及し、「香港は、国際金融センターとして暗号資産ビジネスに従事する革新的なグローバルコミュニティーに対し開放的で包括的だ」と強調した。加えて、陳財務長官は「香港政府は、金融規制当局と連携し、香港における暗号資産分野で、持続可能で責任ある環境整備に取り組む」と述べた。

(注)同戦略においてHKMAは、金融セクターが2025年までにフィンテックを全面的に応用することを奨励し、香港の市民と経済に資するべく公正で効率的な金融サービスを提供することを目的としている。

(松浦広子)

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