香港、ツアー客の飲食店利用を条件付きで許可

(香港)

香港発

2022年11月25日

香港特別行政区政府は11月18日、香港へのインバウンドツアー(以下、ツアー)客に対する飲食店の利用制限の緩和について、同日から実施すると発表した。これまで入境後3日間の健康観察期間中は、ワクチンパスで「黄色」のQRコードが表示され、飲食店やフィットネスセンター、美容院などに立ち入ることができないとされていた(2022年9月26日記事参照)。今回の緩和措置により、表示が「黄色」の間も、条件付きで飲食店の利用も可能となった。利用可能となる要件として、まず、ツアーを実施する旅行代理店が、香港の観光業界団体である香港旅遊業議会(TICHK)に対して旅程表などを含む申請書類を事前に提出する必要がある。

このほか、ツアー客を受け入れる飲食店は、以下の条件を満たすことについて、旅行代理店を通じてTICHKに承諾書を提出する必要がある。

  1. ツアー客専用の個室や完全に仕切られた会場を確保する、もしくは屋外全席をツアー客用のみに限定する
  2. ツアー客が飲食する際は、ツアーに同行するスタッフや飲食店のスタッフおよび他の顧客が同じ場所で飲食することを禁止する
  3. ツアー客の接遇を担当する飲食店の従業員に対し、PCR検査を実施する
  4. ツアー客が飲食する際、同施設内でのライブパフォーマンスを禁止する
  5. TICHKおよび旅遊業監管局による査察の実施に協力するなど

また、香港政府は同日、域外からの入境者に対して義務付けている2回のPCR検査については(2022年11月22日記事参照)、香港滞在が4日以内(香港到着日を0日として、到着日から3日目までに出発)のツアー客に対しては、11月19日から検査回数を1回に緩和すると発表した。香港到着日の0日目の検査のみ必要となり、2回目のPCR検査は不要となった。ただし、入境後、毎日義務付けられている迅速抗原検査(RAT検査)については、実施回数に変更はない。

なお、ツアー客の主な行き先となるテーマパーク、博物館、寺院などについても、従来は入境後3日間の健康観察期間中(ワクチンパスのQRコードの表示が「黄色」の間)は、入場不可とされていた。これら施設への入場については、11月17日からツアー客に限らず、入境直後からの入場が可能となった。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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