10月の自動車生産は堅調も、輸入規制強化で先行きに不透明感

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年11月16日

アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)は113日、10月の自動車(トラック、バスを除く)の生産台数と輸出台数を発表した。生産台数は前月比0.4%増、前年同月比27.8%増の52,415台(添付資料図1参照)、輸出台数は前月比5.5%増、前年同月比43.9%増の37,326台だった(添付資料図2参照)。輸出はブラジルと中米向けが引き続き好調で、輸出台数全体を大きく押し上げた(添付資料表参照)。

ADEFAによると、10月の操業日数は前月比で2日少なかったにもかかわらず、生産台数は前月比、前年比ともに増加した。しかし、1017日に運用が開始されたアルゼンチン輸入システム(SIRA)が今後の自動車生産に与える影響について懸念を示している。外貨不足に苦しむ政府は、輸入の監視を強化し、不要不急の輸入を減らすためにSIRAを導入したが、自動車部品の輸入許可が下りにくくなり、自動車部品や完成車の生産に支障が生じていると、複数の現地メディアが報じている。そのため、ADEFAは、自動車部品メーカーや政府と対話を続けることで、バリューチェーンの成長レベルを維持しなければならないとしている。

アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)によると、10月の自動車国内販売(新車登録)台数(トラック・バスを含む)は前月比7.5%減、前年同月比14.7%増の31,136台だった(添付資料図3参照)。外貨不足によって完成車の輸入が難しくなる中、自動車登録台数に占める国産車率は58.0%と、前年同月の49.0%から大きく伸びている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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