第3四半期GDP成長率(速報値)は前年同期比4.3%、前期比で1.0%

(メキシコ)

メキシコ発

2022年11月07日

メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)は10月31日、2022年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(速報値)について、前年同期比4.3%、前期比(季節調整済み)1.0%と発表した。

2022年第3四半期の主要産業別GDP成長率をみると、全ての主要産業で前年同期比3%を超える成長をしており、第一次産業(農牧林水産業)は前年同期比3.5%、前期比(季節調整済み)1.8%のプラスだった。第二次産業(鉱業、建設、製造業、電力・水道)はそれぞれ4.0%、0.9%、第三次産業(サービス産業)も前年同期比4.3%と好調な数値を記録し、前期比も1.2%だった。速報値として発表した第3四半期の実質GDP成長率を受け、マネックスグループの経済分析サブディレクターのジャニス・キロス氏は「メキシコのGDPは前期比で1.03%増加し、(新型コロナウイルス)パンデミック前の2020年第1四半期(1~3月)の水準を上回った」と説明している(「レフォルマ」紙11月1日)。

米国経済の減速傾向に懸念も

第3四半期のGDP成長率は総じて好調だったが、米国ではインフレ抑制に向けた利上げにより、景気は減速傾向を見せているため、今後のメキシコのGDP成長率の増加を不安視する見方も出ている。

メキシコ中央銀行が11月1日に発表した国内外38の民間シンクタンクを対象に行ったアンケート(10月24~28日実施)で、経済成長の阻害要因として挙げられたのは、「治安問題」(14%)、「インフレ圧力」(13%)、「外国市場・世界経済の弱さ」(11%)、「国内政治の不確実性」(7%)、「法の支配の欠如」(6%)だった。特に「外国市場・世界経済の弱さは」は、9月に5%だったのに対し、10月は11%と急激に拡大している。ムーディーズのラテンアメリカ担当アナリストディレクターのアルフレド・コウティーニョ氏は「減速する可能性がある米国経済の影響を受け、メキシコでも第4四半期(10~12月)に減速するリスクを考慮する必要がある」と警告している(「レフォルマ」紙11月1日)。

(阿部眞弘)

(メキシコ)

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