ドイツのボロコプター、シンガポールでアジア初の空飛ぶ遊覧タクシー運航へ

(シンガポール、ドイツ、マレーシア、日本)

シンガポール発

2022年11月29日

ドイツのスタートアップ、ボロコプターは2024年に、シンガポール都心部の統合型リゾート「マリーナベイ・サンズ(MBS)」周辺地域で「空飛ぶタクシー(エアタクシー)」の観光目的の商業運航を開始する予定だ。ボロコプターは同年のパリ五輪で世界初の空飛ぶタクシーの運航開始を目指しており、シンガポールで同社としてアジアで初の商業運航を目指す。

写真 マリーナベイ地区を飛行するボロシティー(ボロコプター提供)

マリーナベイ地区を飛行するボロシティー(ボロコプター提供)

同社のホン・ルンチュー・アジア太平洋地域主任は1118日、ジェトロのインタビューに対し、「シンガポールでは観光ルートの運航から開始する」と述べた。2024年から運航するのは同社が開発した2人乗りの「ボロシティー(Volocity)」だ。同機は電動の18基のローターによって飛行する。ホン主任は「(ボロシティーは)マリーナベイ地区でMBSやマーライオンの上空を飛行し、観光客や地元客は新たな視点から素晴らしい景色を楽しめる」と語った。さらに、同社は空飛ぶタクシーを隣国マレーシア南部ジョホール州のジョホール・バルに運航することも計画している。

ホン主任によると、空飛ぶタクシーの利点は「電動でゼロエミッション(排出ゼロ)」であること。また、電動のため騒音の問題もないほか、商業ジェット機と同様の安全性が担保されているという。さらに、国連の予測によると、2050年までに世界の人口の68%が都市に住むと予想され、都市の交通インフラに多大なプレッシャーを与えることになる。同主任は、エアタクシーが膨大な建設コストをかけて地下鉄や道路などの建設を検討する政府当局に対して、新たな移動の選択肢を提示できると指摘した。

ボロコプターはシンガポールに20191月にアジア太平洋地域統括拠点を開設。同年10月にはMBS付近でボロシティーの試験飛行を成功させている。同社は20227月、高等技術専門学校(ITE)の校内に、一般市民を対象にした展示場を開設した。ホン主任は展示場を通じて同社のサービスの認知を広めると同時に、「市民から寄せられる疑問を飛行開始前に解決していくことで、円滑にサービス開始できるようにしたい」と述べた。

空飛ぶタクシー、日本では2025年の大阪・関西万博での飛行目指す

一方、同社は202110月に、大阪で空飛ぶ車の社会実装を目指す大阪ラウンドテーブルに参加した。同社の提携先の日本航空(JAL)はボロシティーと配送用のボロドローンを合計100機を仮発注しており、2025年の大阪・関西万博での運航を目指している。

(本田智津絵)

(シンガポール、ドイツ、マレーシア、日本)

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