スーダーニー新政権が発足

(イラク)

ドバイ発

2022年11月07日

イラク国民議会は1027日、ムハンマド・シヤーウ​​・スーダーニー氏を首相とする内閣を承認し、新政権が発足した。202110月の総選挙から1年近く続いた政治的停滞にようやく区切りがついたかたちだ。

202110月の総選挙でシーア派有力指導者のムクタダ・サドル師が率いる勢力が最大派閥となったものの、組閣交渉が難航し、2022年6月にサドル派議員73人が一斉に辞職。その後は、再選挙を求めるサドル派による抗議活動が行われ、7月にはデモ隊が政府施設や各国大使館が集まるグリーンゾーン内に突入して議会を一時的に占拠した。8月下旬にもデモ隊がグリーンゾーン突入を試み、治安部隊との衝突で30人以上が死亡する事態となった。

スーダーニー首相は52歳で、人権相や労働・社会問題相を歴任している。就任に伴ってスーダーニー首相は、経済改革や汚職撲滅、公共サービスの改善、貧困や失業への対応のほか、3カ月以内に選挙法を改正し、1年以内に議会選挙を実施することを約束した。こうした約束は、強硬姿勢を崩さないサドル派の要求に配慮したものとみられる。

また、スーダーニー首相は21人の閣僚を指名した。主要ポストでは、第1副首相兼外相にはファード・フサイン氏、第2副首相兼石油相には国営サウス・ガス・カンパニーの元社長ハヤン・アブドゥル・ガニ氏、財務相にはタイフ・サミ氏が任命した。

(太田尭久、オマール・アル・シャメリ)

(イラク)

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