米オレゴン州セミナーを富山で開催、豊富な自然環境や産業集積をPR

(富山、米国、日本)

富山発

2022年11月09日

ジェトロと富山県は111日、富山県と米国オレゴン州の友好提携締結から30周年を記念して、オレゴン州や米国のビジネス環境を発信する「富山と似ている?オレゴン州のご紹介と、米国ビジネスを始めるためのヒント」セミナーを開催した。

セミナーでは、オレゴン州政府駐日代表部にリージョナル・マーケット・マネージャーとして在籍し、現在はTDC国際ビジネスコミュニケーション代表を務めるトーマス・ディコルチャ氏が、富山県とオレゴン州の類似性や、同州におけるビジネスのしやすさや魅力を解説した。ディコルチャ氏は「富山県とオレゴン州は海と山に囲まれ、水力発電所もある。アルミ・金属加工産業の歴史があり、とりわけ、ものづくりを大切にしている」などとその類似性を紹介した。その上で同州は、教育水準の高い労働力が豊富にあり、全米の州別高学歴統計で15位、労働人口の増加の早さも全国平均のおよそ6倍であることを紹介した。さらに、約150社の日系企業が既に同州でビジネスを展開していることや、同州が親日で日本企業への支援機関がそろっている点など、同州におけるビジネスのしやすさや魅力を語った。

写真 TDC国際ビジネスコミュニケーション トーマス・ディコルチャ代表(ジェトロ撮影)

TDC国際ビジネスコミュニケーション トーマス・ディコルチャ代表(ジェトロ撮影)

続いて登壇した、ジェトロ新輸出大国コンソーシアム事業で日本企業の海外事業展開を支援している古家千寿パートナーが、米国全体をターゲットにこれからビジネスを進める日本企業に向けて、その方法やヒントを解説した。古家氏は「米国へ展開や進出するにあたり、事前準備が特に重要」と前置きした上で、米国のビジネス概況や展開手法などを紹介した。特に米国での展示会は、ターゲットを絞ったバイヤーとの関係構築や、競合他社の分析もできることを挙げ、積極的な参加を勧めた。

写真 ジェトロ新輸出大国コンソーシアム事業 古家千寿パートナー(ジェトロ撮影)

ジェトロ新輸出大国コンソーシアム事業 古家千寿パートナー(ジェトロ撮影)

富山県と米国オレゴン州は、2022年に友好提携締結30周年を迎え、2022年8月には富山県の新田八朗知事を団長とする県友好訪問団が同州を訪問した。9月には経済交流を強化するためネットワーキング交流イベントを、オンラインでジェトロ富山・富山県が共催した。10月には、オレゴン州のケイト・ブラウン知事(民主党)を団長とする訪問団が同県を訪問した。これまで、文化的な交流事業は行われてきたが、経済交流を軸とした事業は今回が初めてだった。

セミナー後には、ディコルチャ氏および古家氏の両講師による個別相談会も実施され、同国・州への輸出・進出に関心を寄せる富山県内企業約15社が参加した。参加した企業からは、「市場性がよく分かり、チャンスがあると感じた。ぜひ米国向けに輸出に取り組みたい」とのコメントが寄せられた。

(森岡泰臣)

(富山、米国、日本)

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