成都市で初出店相次ぐ、蔦屋書店やアダストリアなど日本企業の展開も

(中国、日本)

成都発

2022年11月25日

中国の成都市政府は1118日、市内で「2022中国(成都)首店(初出店)経済発展大会」を開催した。同大会は2019年以降、毎年開催しており、今回は同市へ初出店となる飲食やアパレル、化粧品などの店舗の紹介や、中国ビッグデータサービス企業の中商数据がまとめた「2022中国首店(初店舗)経済高品質発展報告」が公開された(「川観新聞」1119日)。

この報告によると、2019年から20229月までに成都市初出店の店舗は2,094軒に達し、上海市(3,676軒)、北京市(2,446軒)に次ぐ全国第3位となった。なお、成都小売業協会の発表では、2018年から202210月までの直近5年間で、成都市初出店の店舗は2,382軒(うち2022110月では522軒)で、同市は世界初、中国初、西南地域初となる多数のテナント誘致に成功しているという。

写真 「TSUTAYA BOOKSTORE」の店内(ジェトロ撮影)

「TSUTAYA BOOKSTORE」の店内(ジェトロ撮影)

1118日付「中国新聞網(四川)」によると、日系企業では、書店をはじめとする文化産業事業のカルチュア・コンビニエンス・クラブの子会社、蔦屋投資(上海)が831日、中国西南地域では初となる「TSUTAYA BOOKSTORE」を市内錦江区にオープン。店内には約45,000冊の書籍や文具用品、生活雑貨などが並ぶほか、100席のカフェ席もあり、「書店とカフェが融合した生活提案型のBOOKCAFE」が店舗の特徴の1つという(同社プレスリリース831日)。

また、カジュアル衣料品や雑貨を中心としたブランドを展開するアダストリアは1029日、中国西南地域での「niko and ...(ニコアンド)」の初店舗を成都時代百盛(パークソン)にオープンした。アパレルや生活雑貨、家具、キャンプ用品、インテリアなど、日本でも人気の高い商品を取り扱うほか、店内にカフェ、レストランも併設している。

写真 「niko and ...」の成都時代百盛旗艦店オープン当日の様子(ジェトロ撮影)

「niko and ...」の成都時代百盛旗艦店オープン当日の様子(ジェトロ撮影)

FOODLIFE COMPANIESが展開する回転ずしチェーン「スシロー」も、広東省(広州市、深セン市などに開業)に次ぐ中国第2の拠点として成都市内に複数の店舗をオープン予定だ(「新浪四川」116日)。

各国からの新規出店も相次いでいる。20226月に世界初となるフランス高級コーヒーショップの「Maison Margiela」、11月には中国初となるフランス高級ブランドの「ルイ・ヴィトン」のレストランが成都市にオープンした。

中商数据の創業者の周長青氏は「成都市では近年、外国ブランドの出店が相次ぎ、国内ブランドも国外進出も進展しており、これはまさに、成都市の質の高い経済発展の証拠といえる」と述べた(「21世紀経済報道」1118日)。

(王植一)

(中国、日本)

ビジネス短信 72136a14f47b0aab