ニトリが北京へ初出店、2店舗を同日オープン

(中国)

北京発

2022年11月14日

家具・インテリア用品チェーンの「ニトリ」を展開するニトリホールディングス(以下、ニトリ)は114日、中国での58店舗目となる「NITORI北京銀座和諧広場店」(約1,370平方メートル)(113日プレオープン)、59店舗目となる「NITORI北京豊台永旺店」(約2,871平方メートル)を同日オープンした。

ニトリは、中国では既に湖北省、天津市、上海市、四川省、広東省、江蘇省、浙江省、山東省、湖南省など多くの都市で店舗を展開しているが、北京市への出店は今回が初となる。

NITORI北京銀座和諧広場店」の開業式で、ニトリの現地法人である似鳥(中国)投資の杉浦栄総経理は「家の中のものはニトリに来ればすべてそろうことを目指す」と抱負を述べた。店内には家具だけでなく様々な日用品が取りそろえられており、同店はプレオープンからの2日間で、食器やソファーなどを中心に予想を大きく上回る売り上げを達成したという。

杉浦総経理によれば、北京進出については2018年ごろから進めていたものの「出店の拡大に人材育成が追い付かずいったん休止し、既存の出店エリアでのドミナント出店(注1)を優先させてきた」という。現在は育成の効果もあり、各地で店舗管理ができる店長クラスの人材が育ったため出店を再開。北京市でも、天津市の店舗で経験を積んだ人材が活躍している。

今回開店した両店舗は、いずれも北京市都市部では南西部にあたる豊台区にある。立地選定の理由として、杉浦総経理は「豊台区は約200万人の人口を有し、人口密度も高い。入居物件は(北京市の主要幹線道路である)三環路、四環路にも近く、車で来店する消費者にとっても利用しやすい立地である」ことなどを挙げた。

また近年、ショッピングモールではアパレル関連テナントの撤退が増えていることから、入居条件も比較的有利になっているという。杉浦総経理は「現在、日用品などホームに関する商品を扱うテナントがショッピングセンター内には少なく、アンカーテナント(注2)としてホーム専門店であるニトリが求められることが多くなっている」とした。

商品は、素材・デザインは日本と共通化しつつ、家具などのサイズを住宅面積が広い中国向けに調整している。価格は、日本と同水準かやや安価になるように設定されている。

ニトリは今後も積極的な店舗展開を計画しており、杉浦総経理は「北京市でも早期に2桁の出店を目指す」とした。

写真 「NITORI北京銀座和諧広場店」の様子(ジェトロ撮影)

「NITORI北京銀座和諧広場店」の様子(ジェトロ撮影)

(注1)特定の地域に集中して店舗を出店し、経営の効率化やシェア向上を図ること。

(注2)ショッピングセンターなどで集客の核となる店舗。

(河野円洋)

(中国)

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