中国、2025年までにアウトドアスポーツの産業規模を3兆元に

(中国)

北京発

2022年11月17日

中国の国家体育総局など8部門は11月7日、「アウトドアスポーツ産業発展規画(2022~2025年)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、規画)を発表した。規画では、2025年までにアウトドアスポーツの施設・参加者を増加させ、産業規模を3兆元(約60兆円、1元=約20円)超にする目標が打ち出された。

規画によると、全国のアウトドアスポーツの参加者は2021年末時点で4億人を上回っており、特に登山、ハイキング、サイクリング、スキー、カヌーなどのアウトドアスポーツが活況を呈している。その一方で、アウトドアスポーツ施設や商品の供給不足、専門人材の不足、器材運搬の不便さなどの問題に直面していると指摘した。

こうした現状を踏まえ、規画では、アウトドアスポーツ産業の振興に向けて以下の具体的な取り組みが挙げられた。

  • 国立公園、自然保護区、自然公園などの一部地域をアウトドアスポーツ向けに開放するテスト事業を展開する。
  • 地域別の強みを生かしたアウトドアスポーツ産業の発展を加速し、2025年までにアウトドアスポーツ施設を1万カ所建設する。
  • 企業が小型や折り畳み式の器材を積極的に開発するよう指導し、郵便宅配業者に対して、アウトドアスポーツ用品の輸送サービスを提供することを奨励する。
  • 2025年までに全国的に知名度のあるアウトドアスポーツ大会・イベントのブランドを100件創出する。
  • 郊外の公園や農村部などにより多くのキャンプ場を建設し、周辺に登山、ハイキング、サイクリング、釣りなどを楽しめる施設・サービスを整備することを奨励し、キャンプ関連インフラの整備を加速し、さまざまなニーズに応えるキャンプ用品の研究開発を奨励する。
  • 自主ブランド・イノベーション能力を有するリーディングカンパニーを育成し、中小・零細企業の発展を「専精特新」(注)の方向へ指導し、各アウトドアスポーツにおけるチャンピオン企業を目指すことを奨励する。
  • 専門人材の育成を推進し、2025年までにアウトドアスポーツ産業の従業者を100万人、アウトドアスポーツ技能を習得した愛好者を1,000万人にする。

(注)「専精特新」とは、専門性を有し、精密な技術力を持ち、差別化された、革新的な中小企業を指す。

(張敏)

(中国)

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