スキポール空港の混雑、ようやく緩和の兆し

(オランダ)

アムステルダム発

2022年11月10日

オランダのスキポール空港は10月31日、秋休暇(10月14~30日)の期間に260万人以上の乗客が同空港を経由して旅行し、同期間中の保安検査場の平均待ち時間は14分だったと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ほぼ全ての日で待ち時間は60分未満だったが、ピーク時には最大90分になることもあったという。搭乗便別の空港待ち時間の目安は事前に同空港のウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

スキポール空港では、2022年5月の休暇期間の手荷物取扱業者のストライキから始まり、数カ月もの間、空港警備員などの人手不足による保安検査場での待ち時間増加や、フライト遅延、キャンセルの問題に悩まされてきた。保安検査場通過のため屋外や出発ホールで何時間も待つことがあり、フライトに乗り遅れる乗客も出た。8月12日~10月31日の間に乗り遅れた乗客は11月30日まで、空港で補償を申請外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますすることが可能となっている。

夏には、空港スタッフへのボーナス支給によって人材が確保され、待ち時間は改善されたが、9月になって再び状況は悪化した。

そこで、スキポール空港は9月16日、乗客と従業員の安全を確保するため、10月以降、1日当たりの現地出発最大旅客数を平均18%(9,250人)削減する必要があると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、各航空会社に協力を求めた。ロイヤル・スキポール・グループ最高執行責任者(COO)のハンネ・ビュイス氏は同月29日、警備会社や労働組合とともに構造的な改善が必要となるため、この措置は2023年3月末まで続く予定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますだとコメントした。

さらに、スキポール空港は10月6日、警備会社などの人員不足を解消するため1億ユーロを投資し、待遇や労働条件を構造的かつ大幅に改善するパッケージを警備会社と労働組合との間で合意外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、警備会社5社と協力して追加の警備員の採用キャンペーンを行うなど、人員不足の構造的解決に取り組んでいる。

(浅見早映)

(オランダ)

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