第3四半期のGDP成長率、前年同期比マイナス4.5%、3期連続のマイナス成長

(香港)

香港発

2022年11月07日

香港特別行政区政府統計処は10月31日、2022年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(速報値)を前年同期比でマイナス4.5%と発表した(添付資料図参照)。第2四半期(4~6月)の成長率の同マイナス1.3%(確定値)から一段と悪化し、四半期ベースでは3期連続でマイナス成長となった。

GDP成長率を需要項目別にみると、個人消費支出は、第1四半期(1~3月)以降2期連続で前年同期比0.0%と横ばい(いずれも0.05%未満の増減)だった。政府消費支出は4.3%で、前期(13.0%)から8.7ポイント低下した。固定資本形成は前期(マイナス2.1%)から12.2ポイント低下し、マイナス14.3%だった。貿易は、財輸出がマイナス15.5%、財輸入もマイナス16.0%だったほか、サービス輸出、輸入もそれぞれマイナス3.5%、マイナス4.0%となった。

香港政府報道官は第3四半期の香港経済について、「外部環境の悪化と中国本土と香港間の越境物流の混乱継続が香港の輸出に深刻な打撃を与えた。労働市場の改善や電子消費券の配布が域内の個人消費を下支えしたにもかかわらず、主要国の中央銀行による積極的な金融引き締めが域内需要に重くのしかかった」との見解を示した。今後の見通しについては、「2022年中は外部環境の著しい悪化が引き続き輸出の重い足枷となり得る。主要先進国でのインフレの加速や、一層の金融引き締めが世界の需要をさらに押し下げるだろう」と予測した。その一方で、「入境者に対する(新型コロナウイルス対策の)強制隔離措置の撤廃(2022年9月26日記事参照)がサービス輸出に寄与するだろう」との見方を示した。

(松浦広子)

(香港)

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