COP27で産業分野の脱炭素化の推進を議論

(アフリカ、エジプト、米国)

中東アフリカ課

2022年11月14日

エジプトで開催されている国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27、2022年11月7日記事参照)で、11月11日は「脱炭素デー」として、各国・機関が気候変動対策のため、脱炭素社会の実現へ向けて議論した。

脱炭素デーの開会式で、アフリカ連合(AU)のインフラ・エネルギー・情報通信技術部門コミッショナーのアマニ・アブ=ザイド氏は「アフリカは気候変動の影響を最も大きく受けている地域で、気候変動による損害は毎年500億から800億ドルに上る」と述べ、気候変動対策の脱炭素化の重要性を説明した。また、今後3年間で中低所得国で公正かつ公平なエネルギー転換を加速させるため、5億ドルの気候変動に向けた投資についても言及した。

続いて、世界で脱炭素が進んでいない石油・ガス、セメント、肥料、鉄鋼などの産業分野に焦点を当て、各産業別にセッションが開催された。セメントについては、従来よりも二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減できるグリーンセメントの普及の取り組みついて議論し、肥料については、途上国が利用可能な安価かつ脱炭素化された肥料の開発のための専門家や金融機関、国際機関の協力について議論した。

また、各国の炭素削減に向けて、メタンガスの排出量調査や排出対策を推進するガイダンスとして、「シャルム・エル・シェイク・メタン削減ロードマップ」が発足した。米国環境保護庁(EPA)は、メタンガスの削減規則を拡大し、米国内の約100万の油田の掘削現場で漏れを検出してふさぎ、石油産業のメタンガス排出を2005年の水準から87%削減することを掘削業者などに要求すると言及した。

さらに、東地中海ガスフォーラム(EMGF外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、脱炭素化イニシアチブを立ち上げ、東地中海地域の天然ガス産業において、脱炭素化に取り組むと公表した。

(井澤壌士)

(アフリカ、エジプト、米国)

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