米中間選挙、メリーランド州など東部3州で民主党優位の結果目立つ

(米国)

ニューヨーク発

2022年11月10日

118日に実施された米国の中間選挙で、東部3州(バージニア、メリーランド、デラウェア)では、民主党が優位となる結果が目立っている(CNNの米国東部時間9日午後11時時点)。

上院選はメリーランド州のみで実施された。民主党の現職クリス・バン・ホーレン氏が60.7%の得票を獲得し、共和党のクリス・チェーフィー氏(39.1%)を破って再選を確実にした。ホーレン氏は連邦下院で7期務めた後、2016年に上院議員に選出されている。同州議会の議席数は民主党が共和党を21で上回っていることもあり、ホーレン氏の再選は有力とみられていたが、予想どおりの結果となった。

下院選で接戦が予想されたバージニア州2区では、共和党のジェン・キーガンズ氏が民主党現職のエレーン・ルリア氏を抑えて当選確実となり、共和党が1議席増やした。同州では2021年の州知事選で、共和党のグレン・ヤンキン氏が民主党のテリー・マコーリフ氏を破ったことで、共和党の議席獲得への期待が高まっていた。

同じく接戦が予想されたメリーランド州6区では、民主党の現職デビッド・トローン氏に、共和党の州議会議員ニール・パロット氏と前回に続いて挑んでいるが、決着には至っていない。開票率70%時点でパロット氏の投票率は51.5%と、トローン氏の48.3%を上回っており、得票率差は3.2ポイントとなっている。トローン氏は2020年にパロット氏を約20ポイント差で破り、今回の選挙戦では1,200万ドル以上の私財を投入し、大きな資金的優位性をもって3期目を目指しているが、選挙区の改編が行われたことから、競争が高まり、今回は以前より共和党に有利な選挙区になったとみられている(CBSニュース119日)。

デラウェア州では、民主党の現職リサ・ブラント・ロチェスター氏が共和党のリー・マーフィー氏を破り、4期目の当選を確実にしている。

メリーランド州で行われた知事選では、ベストセラー作家で元非営利団体幹部の民主党のウェス・ムーア氏が当選を確実にし、同州では初めて、米国史上では3人目の黒人知事に選出されることになる。ムーア氏は共和党のダン・コックス候補を破り、2期務めた共和党のラリー・ホーガン知事の後任として就任するため、同州では知事が共和党から民主党に変わることになる。ムーア氏は子供の貧困をなくし、メリーランド州が女性の生殖に関する権利を保障する州であることを公約に掲げた。これまで政治経験はないものの、ジョー・バイデン大統領やバラク・オバマ元大統領など民主党議員や著名人などから支持を集めていた。

(樫葉さくら)

(米国)

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