フォスター電機、ハンガリーに欧州初の生産拠点設立を決定

(ハンガリー、日本)

ブダペスト発

2022年11月10日

東京都昭島市に本社を構える音響機器メーカーのフォスター電機は1031日、ハンガリー中西部のセーシュフェへールバールに車載用スピーカーと関連部品の製造・販売を行う新社を設立すると発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。新会社の設立は2022年内の予定で、202410月予定の量産開始時には70人ほどを雇用し、月10万個の生産計画としている。資本金は300万ユーロ。

これまでは、アジアで製造した製品を欧州市場向けに供給していたが、新型コロナウイルス禍以降、サプライチェーンの混乱が常態化したことを受け、欧州市場向けの安定した製品供給体制を早期に構築することが必要と考え、ハンガリーにあった協力企業の工場を一部借り受けるかたちで自前の製造拠点を設立することにした。

ハンガリー進出の長所と課題・懸念点について、ハンガリー子会社の冨田洋平社長に尋ねたところ、「自動車関連の製造企業が多く進出しているところで、低い法人税率や、誘致に対して現地当局の積極的かつ協力的な支援体制が得られたなど、環境が整っている点がハンガリーに進出することを決定したメリットだ。他方で、人員採用が難しいと言われている点と、ウクライナ情勢の今後の展開が与える影響が見えないところが課題で、懸念事項だ」と語った。「欧州の重要顧客が域内調達方針を強化する中で、その近くに進出することで供給の安定化を図るとともに、輸送に伴う二酸化炭素(CO2)削減も実現できる。各社との関係強化が進むだろう中で、数年後に生産の拡大などを含めて、新しい方向性の検討を進めていくことになるだろう」と同氏は答えた。

(末廣徹)

(ハンガリー、日本)

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