英ゼノベ、スコットランドで蓄電池プロジェクト建設開始

(英国、フランス、アラブ首長国連邦)

ロンドン発

2022年11月18日

英国の蓄電池事業者であるゼノベは11月14日、スコットランドで総額7億5,000万ポンド(約1,237億円、1ポンド=約165円)の蓄電池プロジェクトの建設開始を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

プロジェクトは3つに分かれており、それぞれ2024年上半期、同年下半期、2026年上半期の稼働を予定している。系統運用事業者ナショナル・グリッドESOと連携し、英国の再生可能エネルギー発電システムの信頼性を高める。再エネ発電のピーク時に電力をため、ネットワークへの圧力を緩和するとしている。

このプロジェクトを通じ、15年間で約1,340万トン分の二酸化炭素排出の削減を見込んでいる。また、蓄電池の使用により風力発電所の出力制御を低減し、消費者の電力代金も10億ポンド以上削減できるとしている。

日本国内外で火力発電や再エネ事業などに取り組むJERAと、東京電力パワーグリッドは、同社に対して2,500万ポンドを出資している。JERAはこの出資について、蓄電池に関する知見を高め、蓄電池を日本国内の火力発電所に設置し、効率の向上を追求するためのものとしている。

英国の再エネ事業者団体リニューアブルUKが4月に発表したレポートによると、2022年に進行中の蓄電池プロジェクトは前年の16.1ギガワット(GW)から32.1GWへと拡大している。

また、外国企業による英国の蓄電池関連の買収も増えている。フランスのエネルギー事業大手エンジーは7月に、ILIグループ、アビーグループとユーエナジーの合弁事業だった、スコットランドでの50メガワット(MW)蓄電池設備を買収。さらに、アラブ首長国連邦(UAE)の再エネ大手マスダールは10月に、英国蓄電池事業者アーリントンエナジーを買収し、英国の再エネ市場でのプレゼンス拡大につなげるとしている。

(レイナー・あや)

(英国、フランス、アラブ首長国連邦)

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